第48話:純白の檻、忍び寄る金色の足音
都内最高級ホテルの大広間。
シャンデリアの眩い光が、溢れんばかりの参列者と豪華な花々を照らし出している。
純白のドレスに身を包んだ琥珀かえでは、隣で幸せそうに微笑む神野聡に、誰にも聞こえないほどの小声で囁いた。
「……ねぇ、聡さん。私、こじんまりとした結婚式でもよかったのに。あまり人が多いのは、やっぱり少し苦手なんです……」
かえでの瞳には、喜びよりも微かな不安が色濃く滲んでいた。
神野は彼女の震える手をそっと握りしめ、優しく耳打ちする。
「ごめんね、かえで。君を誰よりも輝かせたくて、少し欲張ってしまった。……でも、大丈夫だ。ここにいる全員が、僕たちの味方だよ」
神野の誠実な言葉。本来ならそれで安心できるはずだった。
けれど、かえでの脳裏には、どうしても振り払えない不気味な予感が渦巻いている。
(これだけ盛大な式をやれば……難波財閥が黙っているはずがない。大翔さんは、今どこで何をしているの……?)
かえでの懸念は正しかった。
この祝宴の様子は、招待客のSNSやメディアを通じて、リアルタイムで外部へと漏れ出している。
そして、その情報を、冷徹な支配者の目が見逃すはずもなかった。
同じ時刻、難波財閥のオフィス。
大翔は、巨大なモニターに映し出される披露宴のライブ映像を、感情の消えた瞳で見つめていた。
「人が多いのが苦手か……。かえで、お前をその窮屈な祝宴から救い出せるのは、神野のような芸人じゃない。……この難波の力だけだ」
大翔の傍らには、難波寅吉の命により用意された「ある書類」が置かれている。
それは、神野聡が所属する浜本興行の株を、難波財閥が密かに買い占め始めたことを示す記録だった。
祝宴の鐘が鳴り響く中、支配の爪牙は、すでに二人の幸せを絡め取ろうと動き出していた。
第48話をお読みいただきありがとうございます。
かえでの不安と、神野の深い愛。
しかし、その愛が大きければ大きいほど、難波財閥という巨大な影に「獲物」の居場所を教えてしまう結果に。
大翔が手にした「難波の力」。それは、神野の居場所である浜本興行そのものを飲み込もうとする、経済的な牙でした。
本日0時台、早くも15 PVを記録!!
日付が変わるのを待っていた読者の皆さま。
そして、佐倉桜さん、桜田門凱さん。
この「幸せのピークで忍び寄る破滅」の足音、深夜の読書には最高の恐怖ではないでしょうか。
披露宴のクライマックス。
大翔、あるいは誠が、この「盛大な場」をどう利用するのか。
次回の第49話、ついに難波財閥の「祝電」が式場に届きます!
昨日を上回る勢いで、今日という日が動き出しました。
ご期待ください!




