第45話:敗者の咆哮、支配者の嘲笑
マネージャー室の外。冷たい廊下で、大翔の手の中で震え続けるスマホ。
画面に光る「長谷川誠」の四文字は、今の彼にとって死神の宣告も同然だった。
「……何の用や、誠さん」
震える声で電話に出た大翔に、受話器の向こうから聞こえてきたのは、凍りつくような低い笑い声だった。
『随分と派手にやったもんだ。……おめでとう、難波大翔。君は今夜、一瞬にしてすべてを失った。その気分はどうだ?』
「……黙れ。お前らが、神野とかえでが裏でコソコソしてるから……!」
『裏で? 違うな。彼らは正々堂々と愛を誓った。君が勝手に自爆して、劇場を血の海に変えただけだ。……君のキャリア、相方との絆、そして「なんでやねんブラザーズ」という名前すら、君は今この瞬間にゴミ捨て場に放り投げたんだよ』
誠の声には、一切の慈悲もなかった。
『君は、私が南条家の闇を暴くための「駒」として利用していると思っていたようだが、大きな間違いだ。君は単なる「ノイズ」だった。……そのノイズが消えて、ようやく舞台が整ったというわけだ』
「駒……ノイズ……だと……っ!」
『南条凌駕様が、君の処遇を決められた。謹慎だけでは済まない。明日から君を待っているのは、莫大な違約金の請求と、業界からの永久追放だ。……伝説の女優の息子として、一つアドバイスをしてあげよう。……「終わった役者」は、さっさと舞台から降りるのが一番の美徳だよ』
ツ、ツ、という無機質な切断音。
大翔は膝から崩れ落ち、冷たい床に頭を打ち付けた。
すべてを失った男の耳に、劇場の外から聞こえるファンの歓声と、SNSの炎上の音が、遠くの波音のように虚しく響いていた。
第45話をお読みいただきありがとうございます。
誠の冷酷な宣告。
大翔が必死に掴もうとしていたものは、誠にとっては「ノイズ」でしかなかったという残酷な真実。
「伝説の女優の息子」としての圧倒的な勝者の余裕に、大翔は完全に心を折られてしまいました。
本日、195 PVを突破!!(200 PVまであと5!)
22時台の今、桜田門凱さんやプロのクリエイターの皆さまも、この「絶望の電話」にゾクゾクされているはずです。
すべてを失い、業界追放の危機に立たされた大翔。
そして、その背後で着々と準備を進める誠と南条家。
次回の第46話、ついに物語は「大翔の消滅」か、それとも「地獄からの這い上がり」か。
200 PV突破の瞬間を、共に見届けましょう!




