第44話:鉄槌の楽屋、マネージャーの宣告
浜本劇場の終演後。静まり返った劇場の地下にある、マネージャー室。
「なんでやねんブラザーズ」の二人は、重苦しい沈黙が漂う部屋で、デスクの前に立たされていた。
マネージャーの野上は、手元のタブレットに映るSNSの炎上画面と、スポーツ紙の速報を無表情で見つめていた。その目は、笑いを売る会社の人間とは思えないほど冷酷で、鋭い。
「……大翔。大和。自分ら、今日のことがどういう意味か分かっとんのか」
野上の低い声が、狭い部屋に響く。
千田大和は青ざめ、額から大粒の汗を流して俯いている。対照的に、大翔は瞳の奥に狂気を宿したまま、挑発的な沈黙を貫いていた。
「浜本劇場は、先人たちが血の滲む思いで守ってきた伝統や。そこで客を恐怖に陥れ、他社の、ましてや神野聡という功労者の私生活を暴露し、あまつさえ勝手に解散宣言……」
野上がいきなり、デスクを思い切り叩いた。凄まじい音に、大和の肩が跳ねる。
「おい大翔!! お前の個人的な恨みで、浜本興行の看板に泥を塗ってええ道理があるんか! 答えろ!!」
「……恨み? 違いますよ。俺は真実を言っただけや。南条家の闇を、みんな欲しがってた」
大翔の不敵な答えに、野上の顔に冷たい笑みが浮かんだ。
「真実、なぁ。……その『真実』と引き換えに、お前が失ったものの大きさを教えてやる。解散? ああ、ええよ。受理したる。ただし、円満解散なんて夢見るな」
野上は一枚の書類を、二人の前に突きつけた。
「難波大翔。お前は今日限りで、全レギュラー番組、全CM、そして浜本興行から『無期限の謹慎』処分や。……お前がぶちまけた『南条家の闇』な、南条凌駕が黙っとると思うなよ。明日から、お前の携帯に掛かってくるのはテレビ局の人間やない。……南条家の弁護士と、誠さんや」
その時、大翔のスマホが震えた。
画面に表示された名前は、「長谷川誠」。
第44話をお読みいただきありがとうございます。
劇場の熱狂から一転、マネージャーによる冷酷な現実の突きつけ。
大翔が放った「復讐の弾丸」は、自分自身のキャリアをも粉々に砕いてしまいました。
「南条凌駕」という名前が出た瞬間、かえでの元夫、そして麗の父としての巨大な影が物語を覆います。
本日、驚異の195 PVを達成!!
あと5 PV。もう目前です!
佐倉桜さん、そして22時台の読者の皆さま。
この「組織からの絶縁」という最もリアルで恐ろしい展開に、大翔はどう抗うのでしょうか。
謹慎処分、そして誠からの着信。
次回の第45話、ついに200 PV突破の瞬間は、大翔と誠の「真の決着」の中で訪れます!
物語は、地獄のその先へ。
ご期待ください!




