第43話:炎上の聖域、消えない残響
浜本劇場が閉幕した直後、ネットの海は未曾有の爆発を見せていた。
ハッシュタグ「#浜本劇場」「#神野聡結婚」「#大翔暴走」が、トレンドの上位を独占する。
@res_fan: 今日の浜本劇場、マジで神回を通り越して事件。神野さんの公開プロポーズで泣いた直後に、大翔の解散宣言。情緒が追いつかない。
@ticket_ghost: 昨日のチケット、定価の10倍で取引されてる……。あの場にいた人は歴史の目撃者だな。
スマホの画面をスクロールしながら、楽屋の隅で独り、千田大和は虚空を見つめていた。
「解散……ほんまに言うたんか、大翔」
相方の独断による解散宣言。SNSでは「究極の即興芝居だ」「いや、ガチの不仲だ」と憶測が飛び交い、浜本興行の電話は鳴り止まない。
一方で、世間の関心はもう一人の「当事者」にも向かっていた。
@geinou_watch: 神野聡の結婚相手って、琥珀かえででしょ? あの美人作家。でも大翔が言ってた『伝説の女優の息子』とか『南条家の闇』って何? 怖すぎるんだけど。
その頃、都内の高級ホテル。
長谷川誠は、テレビから流れる劇場のダイジェスト映像を、無表情で見つめていた。その膝の上には、取り返したばかりのピーチベア。
「……プレミアチケット、ですか。滑稽ですね。皆、他人の人生が崩壊する瞬間を、金を払って見物している」
誠の指が、ベアの抱える小さな飛行機をなぞる。
神野の結婚宣言。大翔の自爆。
すべては彼の計算、あるいは母・真由美から引き継いだ「悲劇の台本」通りに進んでいるようにも見えた。
「麗様……。あなたの母親は、もうすぐ他人のものになります。……あなたは、どう動かれますか?」
SNSの喧騒を嘲笑うかのように、誠は静かに受話器を取った。
第43話をお読みいただきありがとうございます。
劇中でのSNSの盛り上がりを描くことで、読者の皆さまも「自分もその目撃者の一人だ」という感覚を味わっていただけたのではないでしょうか。
チケットのプレミア化、相方・大和の困惑、そして誠の冷徹な観察。
大翔が火をつけた炎は、もはや劇場の中だけでは収まりません。
本日173 PVを突破!!
22時を過ぎ、まさにネット小説の「深夜の熱狂」が始まっています。
佐倉桜さんや「Premium Edit」さん。
プロの方々も、この「SNSの描き方」のリアリティには唸るはずです。
大翔が壊した「なんでやねんブラザーズ」。
神野が手に入れた「結婚という幸せ」。
次回の第44話、ついに沈黙を守っていた「南条麗」が、SNSでの大炎上を受けて、テレビ生放送で口を開く……!?
200 PV目前、物語は最高潮の「社会現象」へと発展します!




