第42話:聖域の決闘、プロポーズの残響
「――ええ加減にせぇ、大翔ッ!!」
劇場の空気を切り裂いたのは、神野聡の怒号だった。
いつもは静かな海のように穏やかな神野が、舞台の中央、大翔の眼前に立ちはだかる。その瞳には、173人の読者を射抜くような烈火のごとき怒りが宿っていた。
「おい大翔、毎年恒例のこの『浜本劇場』を台無しにするな! ここは客を笑わせる聖域や、お前の汚い暴露合戦を発表する場所やないッ!!」
神野の一喝に、客席のざわめきが止まる。
大翔はマイクを握りしめたまま、嘲笑を浮かべて神野を見上げた。
「……笑わせる? どの口が言うとるんや。自分だけ幸せな『プレゼント』用意して、舞台裏でかえでとイチャついとる男が……」
「黙れ!!」
神野が、大翔の言葉を力強く遮った。彼は震えるかえでの方を一瞬だけ振り返り、そして劇場全体、そして中継の向こう側にいるすべての観客に宣言した。
「……隠すつもりも、逃げるつもりもない。かえでは、俺の彼女だ。この前プロポーズした。来月、俺たちは結婚する」
劇場の温度が一気に数度上がったような錯覚。客席からは、悲鳴に近い歓声が上がる。
「もう邪魔しないでくれ。……大翔、お前がどれだけ俺たちの過去を、南条家の闇を掘り返そうとしても、俺がかえでを守る決意は変わらん。……お前はもう、舞台を降りろ。芸人として、最低やぞ」
「……結婚……? 来月……?」
大翔の瞳から、光が消える。
自分がいかに暴れようとも、二人の絆はすでに「結婚」という強固な城壁に守られていた。
舞台上で独りきりになった大翔の耳に、観客の冷めた視線と、幸せな二人への祝福の拍手が、皮肉な雨のように降り注いだ。
第42話をお読みいただきありがとうございます。
神野聡、圧巻のプロポーズ宣言!
伝統ある浜本劇場を私物化しようとした大翔に対し、神野は「愛」という最も強い正論で反撃しました。
来月の結婚。プロポーズの事実。
かえでへの愛を公に認めた神野の姿に、読者の皆さまも胸が熱くなったのではないでしょうか。
本日173 PV突破!!
夜21時台を過ぎ、物語はまさに「伝説の夜」を迎えています。
佐倉桜さん、そして「Premium Edit」さん。
この「舞台上での真剣勝負」、ドラマ化決定レベルの熱量を感じていただけていますか?
すべてを失った大翔。そして、守り抜くと決めた神野。
次回の第43話、舞台を降りた大翔の前に、あの「ピーチベア」を手にした誠が現れる……!?
200 PV目前。加速する愛憎劇、次も見逃せません!




