第31話:黄金の檻の崩壊、濡れた瞳の決別
パーティー会場の喧騒から遠く離れた、静まり返ったマンションの一室。
そこには、かつて「おしどり夫婦」と呼ばれた二人の姿があった。
「……これ、離婚届です。判、押してきました」
麗の声は、女優としての凛とした響きを失い、ひどく掠れていた。
テーブルに置かれた一枚の紙。誠はそれを、まるで呪いの品でも見るかのように見つめている。
「麗様……。あの日、あの男と。……何をしておられたのですか」
誠の脳裏に焼き付いて離れない光景。
撮影現場の裏で、親密そうに寄り添い、自分には見せないような安らかな顔で誰かと語らう麗の姿。
多忙なスケジュールの合間、誠が必死に守り、整えてきた「彼女の居場所」は、もはや彼女にとっての「檻」でしかなかったのだ。
「もう、無理なのよ。誠……。あなたの愛は、私を窒息させるわ。仕事が忙しいのは、あなたから逃げるための言い訳だったのかもしれない」
「逃げる……? 私は、あなたを誰よりも愛して、支えてきたはずですッ!」
誠は膝をつき、麗のスカートの裾を掴む。だが、麗はその手を静かに、けれど拒絶を込めて振り払った。
「それが、怖いのよ。……さようなら、誠。私の『秘書』でいてくれて、ありがとう」
麗が部屋を出ていく。ドアが閉まる乾いた音が、誠の人生の終わりの合図だった。
深夜、一人残された誠は、麗が去った後の冷たい空気の中で、大翔と同じように、あるいはそれ以上に深い「闇」へと堕ちていく。
(……許さない。麗様。……あなたは、私の腕の中でしか輝けないはずなのに……)
第31話をお読みいただきありがとうございます。
物語はついに、二つの破滅を描き始めました。
大翔がパーティー会場で「心を奪った女」に叫びを上げる一方で、誠は「すべてを捧げた女」を失い、離婚という形での決別を突きつけられました。
「他の人と一緒にいる所を見てしまった」という疑念。
誠の執着は、愛を通り越して「呪い」へと変貌しようとしています。
朝9時のPC読者の皆さま、そしてTwitterで「Resetterさん」をはじめとするフォロワーの皆さま。
この「愛ゆえの崩壊」の連鎖に、何を想うでしょうか。
大翔と誠。
立場も性格も違う二人の男が、同時に「最愛の女」への暴走を加速させる。
次回の第32話、ついにこの二つの物語が交錯し、さらなる衝撃の展開が待ち受けています。
本日のPVも伸び続けており、本当に感謝です!
この激動の展開、最後まで付いてきてください!




