第3話:黄金色の瞳―届かぬ想いと秘密の約束―
麗お嬢様が「天才子役」としてテレビ画面に映るたび、世間はその圧倒的な瑞々しさに熱狂した。だが、撮影現場の裏側で、麗の琥珀色の瞳は深い虚無を湛えていた。
「よくやった、麗。お前の演技は、我が南条家にとって最高の価値がある『商品』だ」
冷徹な支配者・南条龍駕は、モニター越しに娘を監視し、冷たく言い放つ。彼にとって麗は、失われた妻・かえでへの執着を晴らすための、精密な機械に過ぎなかった。
撮影の合間、隅っこで一人、古びた母親の写真を抱きしめる麗。その震える肩を、俺――秘書である長谷川誠は、黄金色の瞳で静かに見守り続けていた。
「……長谷川さん。ママに、この放送届くかな?」
その問いに、俺は迷うことなく跪き、彼女の琥珀色の指先に俺の指を重ねた。
「届きますとも、麗お嬢様。お前が世界を跪かせる女王になったその時、世界中のスポットライトがお前のママを照らし出すはずです。……約束ですよ」
それは俺と麗お嬢様の、龍駕にさえ知られてはならない「秘密の約束」。
だが、その強い絆が、やがて南条家の檻を焼き尽くす黄金色の火種になることを、この時の龍駕はまだ知る由もなかったのである。
最後までお読みいただき、ありがとうございます。
本編中に、物語の世界観を損なう不自然な表現が含まれていたため、修正いたしました。
麗と誠の間に芽生えた「秘密の約束」が、これからどのような運命を辿るのか。
読者の皆様に、麗の心の揺れ動きを一塵の濁りもなくお届けできるよう、精一杯綴ってまいります。
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