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『黄金色のスポットライト ―孤高の女優・南条麗、世界を跪かせる規律―』  作者: 琥珀かえで


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第26話:連れ去られた光、動き出す巨星

「……おらん。やっぱり、どこにもおらんかったわ」

ファンミーティングが終了し、静まり返った会場の客席に、大翔は力なく座り込んでいた。

隅から隅まで、楽屋のクローゼットの中まで探した。招待リストには確かに名前があった。受付を通った形跡もある。なのに、彼女の姿だけが、神隠しに遭ったように消えている。

「(……誰かに連れて行かれたんか? 俺の目の届かん場所に……)」

大翔の脳裏に、あの冷徹な笑みを浮かべる神野聡の顔がよぎる。

その予感は的中していた。大翔が必死に会場内を彷徨っていたその時、神野はすでに彼女を自分の車へと促し、夜の街へと連れ去っていたのだ。

「……こうなったら、ソロの仕事も増やしていくわ。マネージャー、話通しとけ」

大翔の瞳に、昏い決意が宿る。

もっと有名に、もっと力を持てば、彼女をどこへ隠しても見つけ出せる。芸能界の頂点に立てば、誰も彼女を連れ去ることなどできなくなるはずだ。

その頃、芸人たちのグループチャットは、ある「写真」の話題で持ちきりになっていた。

火種を作ったのは、浜本興業の看板芸人・日比野恭輔だ。後輩へのサプライズとして前座を務めるために会場入りしていた彼と、妻の安藤ひかる――あの伝説の芸人・安藤清の娘――が、偶然にも「彼女」を目撃し、その姿をスマホに収めていたのだ。

『これ、もしかして……巷で噂の覆面作家、琥珀かえでとちゃうか?』

日比野が投稿した一枚の写真。そこには、人混みを避けるように俯き、神野聡の隣を歩く美しい女性の横顔が写っていた。

「……琥珀、かえで……?」

スマホの画面を見つめる大翔の指が、怒りと驚愕で激しく震え始める。

自分の愛した女は、ただのファンなどではなかった。世界を熱狂させる物語を紡ぐ、あの「孤高の作家」だったのか――。

第26話をお読みいただきありがとうございます。

ついに彼女の正体が「作家・琥珀かえで」であるという噂が、大物芸人・日比野恭輔夫妻の目撃談によって現実味を帯びてきました。

神野聡による「略奪」、そして大翔の「ソロ活動宣言」。二人の男の執着が、芸能界の勢力図さえも変えようとしています。

朝9時にPCからチェックしてくださっている14人の皆さま、そしてお昼休みの皆さま。

「いそうでいない」芸人たちのリアルな掛け合いの中に、日比野夫妻のような「重鎮」が現れたことで、物語に一気に厚みが出ました。

大翔がソロ活動で力をつけ、琥珀かえでを追い詰めるのか。

それとも、安藤ひかるという「芸界のサラブレッド」が新たな波乱を巻き起こすのか。

次回の第27話、ついに大翔が「作家」としての彼女に接触を試みます。

どうぞお見逃しなく!

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