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『黄金色のスポットライト ―孤高の女優・南条麗、世界を跪かせる規律―』  作者: 琥珀かえで


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第25話:陽だまりの残像、消えゆく背中

「ロケ中やったんや。……偶然、あの子を見かけた」

電話越しの神野の声は、どこか遠くを見つめているように静かだった。

あの日、関東の人気番組のロケで、神野は「なんでやねんブラザーズ」のファンミーティング会場のすぐ近くの通りにいた。街頭インタビューの相手を探していたスタッフの目に留まったのが、人混みの中で立ち止まっていた「彼女」だった。

『……いきなり声をかけた時、あの子、驚いたような顔をしてな。でも、すぐに困ったように笑ったんや』

大翔は、受話器を握りしめる指に力を込める。

自分の知らない彼女の表情。それを神野が引き出したという事実に、胸の奥が焼けるように熱い。

『道を聞いたら、丁寧に教えてくれたよ。……でもな、大翔。あの子の瞳、見てて危うかったわ』

「危うい……? 何がや」

『……どこか寂しげでな。人混みの中にいるのに、今すぐどこか遠くへ消えてしまいそうな……。見失ったら、二度と会えんようになるんちゃうかって、ロケ車に戻るまでずっと背中を目で追うてしもうたわ』

大翔の呼吸が止まる。

自分は彼女を「逃がさない」ために追い詰めている。けれど、神野が見た彼女は、あまりにも儚く、指の間からこぼれ落ちそうな「光」だった。

「……消えさせへん。俺が、絶対に捕まえて離さへんからや!」

大翔の叫びを鼻で笑うように、神野が最後の一言を投げかける。

『……お前が強く握りしめれば握りしめるほど、あの子の心は透き通って、消えていくんちゃうか?』

第24話をお読みいただきありがとうございます。

今回は、神野聡の視点から語られる「彼女」の姿を描きました。

大翔が必死に探し回っていたあの時、彼女はロケ中の神野と出会っていた……。神野が感じた「消えてしまいそうな儚さ」は、大翔の激しい独占欲への警告なのかもしれません。

朝9時のPC読者の皆さま、そしてお昼休みの皆さま。

神野聡という「大人の余裕」を持つ男が登場したことで、大翔の幼いまでの執着がより浮き彫りになってきましたね。

「見失ったら消えてしまいそう」な彼女を、大翔はどうやって自分の檻に閉じ込めるのか。

次回の第25話、物語はさらに加速します。

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