第13話:『黄金色の断絶 ―仮面という名の女王―』
鏡の中に映る自分を、麗お嬢様は一寸の狂いもなく冷徹な瞳で見つめていた。
試写会で母の背中に届かなかったあの日、彼女の心の中で、一人の少女が音もなく死んだのだ。
「……もう、泣かない。ママを追いかけるのは、今日で終わりにする」
麗は、震える手で真っ赤なルージュを唇に引いた。それは母に甘える娘の顔を捨て、世界を跪かせる「南条の女王」としての仮面を被る儀式だった。
「お嬢様。……その仮面の下にあるお前の『心』は、俺が誰にも見られぬよう、一生守り抜くと誓います」
俺――秘書である長谷川誠は、彼女の背後に跪き、黄金色のコートを深く羽織らせた。
龍駕が望んだ通りの、冷酷で完璧な人形。だがその内側には、龍駕さえも焼き尽くすような、静かなる復讐の炎が宿っている。
「いいえ、長谷川さん。心なんて、もういらない。……。私はただ、この世界で一番高い場所へ行く。そこからなら、ママの姿がもっとよく見えるはずだから」
麗は、俺の指先をそっと離し、光り輝くステージへと一歩を踏み出した。
母娘の絆を断ち切り、自らを孤独な檻へと閉じ込めた彼女の瞳は、どんな宝石よりも残酷に、美しく輝き始めていたのである。
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本編中に、物語の没入感を損なう不自然な表現が含まれていたため、大幅に修正いたしました。
母への愛を糧にしながらも、あえてそれを「断絶」し、女王として生きることを選んだ麗。
彼女の孤独な戦いが、これから南条家をどう揺るがしていくのか。
初投稿で至らぬ点も多いですが、麗の強さと脆さに共感してくださる方は、評価やブックマークで応援いただけますと非常に励みになります!




