第43話 クラーケン討伐
「王命である。クラーケンに港がひとつ潰された。討伐を命じる」
またかよ。
今回は何をねだろう。
「かしこまりました。討伐のあかつきには王国が続く限り、俺と跡目を継いだ子孫に年金を頂きたいと思います」
「いかほどだ?」
「月に金貨10枚」
「ふむ欲のないことだ。構わないだろう」
国がなくならない限り月に金貨10枚が入ってくるんだぞ。
金貨10枚って言えば庶民の年収だ。
それが月に入ってくるなんて素晴らしいとしか言いようがない。
没落しても食っていけるんだからな。
さあ、討伐頑張るぞ。
そらを超特急で飛んだ。
風よけがあって良かった。
無かったら大惨事だったな。
2時間で現場に到着。
さてクラーケン釣りだ。
そらを飛び、小舟を一そう、ロープで引っ張る。
海面が盛り上がった。
出て来るな。
「手筈通りに」
「【性魔法】、電撃最大ですわ」
シャリアンヌの電撃はすさまじく、海が沸騰し、イオン臭が辺りに立ち込める。
クラーケンが痺れてプカリと浮かび上がった。
俺達は小舟に乗った。
「【性魔法】、重力全開」
「【性魔法】、重力全開です」
フラッチェとディータによる重力のサンドイッチだ。
クラーケンはせんべいみたいになって死んだ。
黒かったので邪気を回収する。
クラーケンを港に運ぶと、人が集まり捌き始めた。
干しクラーケンを作るらしい。
美味いと文献が残っているそうだ。
まあイカかタコの親戚みたいな物なんだろう。
ネジル教でソースが出来上がったみたいだから、クラーケン焼きを作るか。
一部の肉は凍らせた。
性魔法は、冷却ができるからね。
さて、ちょっとサービスしておくか。
「みんな、性魔法で岩を変形させて港を復活させてくれ」
「良いですけど。設計図がないと」
「おい聞いたか港を復活させてくれるってよ。大急ぎでお嬢さん方が分る設計図を描け」
1時間ほどで設計図が出来上がった。
「【性魔法】、岩変形ですわ」
「もう少し低く」
「【性魔法】、岩変形。上出来かな」
「こっちのお嬢さんはもう少し長く」
「【性魔法】、岩変形です」
「堤防はもうちょっと厚く」
こんな感じで調整しながら、港が出来上がった。
堤防があるから次にクラーケンがきても持ちこたえるだろう。
さあ、タコ焼きならぬクラーケン焼きパーティだ。
王都に帰り、王城の大広間で、クラーケン焼きをする。
「ブタキム殿にクラーケン勲章を授ける」
こうやってパーティが始まった。
俺がブタキムになってから初めて王様に会った。
そうそう、クラーケン勲章を持っている者に年金が入る仕組みだ。
子孫が血で血を洗う戦いを繰り広げたりしないことを祈る。
まあ、月に金貨10枚程度で大貴族がそういうことにはならないと思うけどね。
親族殺しをした者は年金が受け取れないと、後で法律を作ってもらおう。
さあ難しい話は終り。
パーティを楽しもう。
クラーケン焼きだけだと何なんで、お好み焼きも作った。
かつお節と青のりはなかったが、
カツオに似た魚を乾燥させた。
青のりは猟師も食っている海藻を乾燥させて細かくしたものだ。
クラーケン焼きを食う。
前世で食った有名店なんかには落ちるが、スーパーのタコ焼きよりは美味かった。
お好み焼きもだ。
そうそう、マヨネーズを作った。
卵黄と酢と油をかき混ぜりゃ良い。
簡単だ。
卵の殺菌には邪気を使って安心だしな。
マヨネーズはドレッシングに革命を起こすに違いない。
玉子の殺菌が邪気によってしかできない今は、良いネジル教徒の商売になるはずだ。
あとでネジル教徒にはマヨネーズパンを作らせよう。
あれも時たま食いたくなるんだよな。
コーンがあれば良いけど。
この世界のトウモロコシは堅い。
粉にして食べるのが普通だ。
まあ、マヨネーズコーンパンではなくても良い。
クラーケン焼きもお好み焼きも美味し。
タールも気に入ったそうで、20人前ぐらいぺろりと平らげた。
もうタールは中学生ぐらいの体重がある。
それと、飛ぶようになった。
ブレスも吐ける。
ブレスは邪気のブレスなので、敵以外に使わないように厳しく教え込んだ。
「何だか最近服がきついのですわ」
「私も」
「私もです」
「太った?」
「女性に太ったは禁句ですわ。罰としてマヨネーズを提供しなさい」
「私も欲しいな」
「マヨネーズは楽しいです」
マヨラーが誕生したようだ。
更に太るだろうけど、3人には供与スキルがある。
贅肉をスキルで落とせば良い事だ。
「があ」
タールもマヨラーらしい。
その目が欲しいと言っている。
マヨネーズパンを開発したら流行るんだろうな。
ハンバーガーも食いたいな。
マヨネーズと照り焼きのたれがあれば照り焼きバーガーができるな。
食いたい物が増えた。
ポテトフライは何とかなるな。
コーラが欲しい。
コーラのレシピは生憎知らない。
コーヒーで我慢するか。
タンポポなら見つけてある
タンポポコーヒーで妥協しておこう。
炭酸飲料なら作れる気がする。
炭酸オレンジジュースとかな。
他の果物の炭酸ジュースは美味いに違いない。
炭酸は性魔法で集められる。
さすがに炭酸の知識ぐらいある。
H2CO3だったよな。
水に炭酸を溶かせばいいだけだから、簡単にできるはずだ。
みんな気に入るだろう。




