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第41話 興奮剤

「ライラ達のパーティがオーガ狩りをするって言ってたわ」


 心配そうな表情で、フラッチェがそんなことを言った。

 今のレベルなら問題ないだろう。

 撤退することになっても逃げきれるぐらいの実力はあるはず。


「心配するな。こそっと後を付けよう」

「そうこなくっちゃ」


 空を飛んでライラ達のパーティが乗っている馬車を追跡する。

 フラッチェの鷹目スキルで監視しているから、距離はだいぶ離れている。

 低空飛行なので、気が付いては、いないはずだ。


「ライラ達の馬車が停まったわ」


 フラッチェが報告する。

 オーガの縄張りが近いのだろう。

 ここからはライラ達は徒歩になるようだ。

 俺達はゆっくりと飛ぶ。


 木に衝突して死にたくはないからな。


「ガァーー!」


 どうやら始まったらしい。

 木の陰から戦いを見守る。


 オーガの様子がおかしい。

 口から泡を吹いて目が真っ赤だ。

 病気ではないな。


 ライラのパーティの盾職がオーガの一撃で吹っ飛ばされた。

 そこからは防戦一方。

 いや手数とスピードではライラ達が勝っている。

 しかし、ダメージになってない。


 ライラ達パーティは怪我人続出。

 回復職のライラが間に合わないぐらいだ。

 不味いな。


 ライラの付与魔法がなかったらとっくにこのパーティは崩壊してた。


 こそっと、手助けしてやるか。


「フラッチェ」

「分かっている。【性魔法】、雷球」


 雷球がバチバチ音をたてながら、オーガに激突した。

 オーガが硬直する。


「【付与魔法】、最大出力」

「【斬撃】、とりゃー」


 付与魔法をライラが使って、剣士が止めを刺した。

 さて、このまま逃げるのも違うし、どうするべきか。

 逃げても仕方ない。

 お節介だと嫌がられても構わないさ。


「ブタキム、あなた達が加勢したのね」

「そうだ」


「違う!」


 そう言って出て来たのはリード。


「何が違うんだ」

「ブタキムは興奮剤を買ってオーガに使った。マッチポンプなんだ。僕はブタキムのこの企みを知って阻止しようといま現場に到着した。ブタキム、恥を知れ。お前の悪行もここまでだ」


 興奮剤はリードがやったんだな。


「それがどうした」

「ブタキム、あなたを最近はちょっと認めてたのに」


「俺が何のためにそんなことをする。ライラなら今の状態でもレイプすらできる。証明してやろう。【供与】、封印」


 俺は封印の一部をリードに供与した。

 そして、盾職を突き飛ばし、剣士を投げ、魔法使いの魔法を捻り潰し、ライラの手を捻り上げた。


「やめて」

「こんなに弱い。今だってどうにでもできるんだよ。リード、悔しいか。さあ、愛しい女が汚されるぞ。このきっかけを作ったのはお前だ。分かっているだろう」


「くっ、力が入らない」

「さあ、どうする」


「ブタキムが興奮剤を使ったんじゃない。怪しい奴らが使った。あれはきっとネジル教徒だ」

「リード、証拠もなしにブタキムを批判したの」

「僕を信じて」


「さあ、ライラどっちを信じる?」

「私には分からないわ。この場にいるってことはどっちも怪しい。ブタキムもリードも信じられない。帰って。二人とも帰って」


 リードがやったって証拠はないが十中八九、奴の仕業だろうな。

 発言を変えたのがその証拠だ。

 恐らく俺にライラがレイプされるって焦ったのだろうな。

 前のブタキムならそれぐらいやってもおかしくない。


 さあ、帰るか。

 リードに供与した封印の一部がもとに戻らない。


 ステータスを確認してみる。


――――――――――――――――――――――――

名前:ブタキム・ファットピッグ

レベル:53(426845)

魔力:199330681971/199330322094-471000

スキル:

 供与

――――――――――――――――――――――――


 おお、レベルが53になっている。

 リードざまぁ。

 奴の封印が奴に作用したぞ。


 良い懲らしめになったに違いない。


「リードという男はいつまで生かしておくおつもりですか」


 シャリアンヌが少し怒っている。

 リードを生かしておいたのは奴を虐めた罪滅ぼしだ。

 だがそれもそろそろ良いかなと思っている。

 シャリアンヌにそう言えないから、ちょっと困ったな。


「奴は道化だよ。踊ってもらって最後は末路というわけだ。敵は無能なほど良い。おそらくリードを殺せばジャスティスは別の人間をその役目に就けるだろう」

「なるほど泳がせているのですわね」


「まあ、そんな感じだ」


 モンスター興奮剤を売っている店を潰す必要があるな。

 金さえ使えば情報は簡単に手に入る。

 役人に密告して処刑の許可を貰った。

 モンスター興奮剤は禁忌薬物だからな。


「今回は俺にやらせてくれ」

「そうですわね。あなた様が被った罪ですから」

「できるの?」

「ご主人様を信じましょう」


「できるよ。レベル53だから」


 店の前に立ち、剣に魔力を集中させた。

 そして、徐々に剣の魔力を伸ばす。

 一閃。

 店は潰れた。

 がれきから這い出してくる奴がいる。


「お前の仕業か」


 そう言うと男は魔道具銃を俺に向かって撃った。


「【供与】、ダメージ」

「くそっ、与えた傷が跳ね返るのか。この化け物め」

「御託は良いんだよ」


 俺は剣で男を切り裂いた。


 こういう店は5つもあった。

 どの店でリードが買ったか知らないが、容赦なく全部潰した。


 狙撃されることが増えたが、シャリアンヌの念動バリアを破れるほどではない。

 殺し屋はフラッチェが鷹目スキルで突き止めて、魔力銃で仕留めた。

 今回は俺に火の粉が掛かってきたから潰した。

 これからも害を与える存在は容赦しない。


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