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第30話 窒息

Side:コラプ

 ヒュドラも駄目だった。

 ブタキムのカラクリが分からない。

 何かヒントはないのか。


「未来予知を」


 予言スキル持ちに俺は尋ねた。


「【予言】。ブタキムの手口の一部が判明しました。窒息です。なのでスライムの大群を仕掛けるといいでしょう。成功確率は20%ですが」

「なるほど。毒だと思っていたが窒息だったとはな。だが、水を使った窒息ではない。何の窒息だ?」

「分かりません。素材とされたモンスターの肺や気道から水も土も出てきません」


 手口はいぜん不明か。

 たしかにスライムなら窒息しない。

 だがスライムは弱い。

 火の魔法には敵わない。


 まあ良い。

 今回は窒息かどうか確かめるだけで十分だ。


 スライムは森の掃除屋だ。

 至る所にいる。

 大繁殖の条件は餌と水だ。


 邪神教の信徒を総動員して餌と水を確保した。

 森のスライムに臓物や残飯を与える。

 スライムは大きくなり、分裂した。

 分裂したスライムに水を掛ける。

 スライムは分裂する前の大きさになった。


 コツコツやるしかないが、2倍ずつに増えるのだから簡単だ。

 1日で数が1万を超えた。


 誘引剤は水。

 スライムは乾燥に弱いから水を撒いて道を作ってやれば良い。


 ピッグスライムなんかも生まれたが、所詮はスライム。

 おそらくブタキムには敵わないだろう。


 せめての嫌がらせにスライムに毒を吸収させた。

 ポイズンスライムだ。

 これなら勝率も僅かに上がるだろう。


 大地も汚染される。

 一石二鳥だ。


 いやまだ足りない。

 鉄の粉をスライムに与えよう。

 アイアンスライムなら火にも耐える。


 スライム軍団ができたな。

 ブタキム以外の冒険者達に対処されると問題だな。

 スライムは弱いからな。


 冒険者に手出しできないようにさせるには、スライムを強くするか、討伐は嫌だと思わせるしかない。

 強酸を付与しよう。

 スライムに王水を与えた。

 強くなったし金属が腐食されるから、冒険者は依頼金と装備の消耗を天秤にかけて手を出さないだろう。



「未来予知を」

「【予言】。成功確率は33%です。かなり高いと思われます」


 3回に1回勝てるレベルか。

 50%を越えないのは少し不満だが、今回は勝てそうな予感がする。

 いや絶対に勝つ。


Side:リード


「ライラ、ジャスティスの集会に出てみないか。楽しいぞ」

「前にも言ったけど、私は正義というものは、個人の胸の内に留めておくものだと思っているの。群れて正義を振りかざすと、歪むような気がする」

「僕達の正義が歪んでいると言いたいのか? 体験もせずに」

「確かに見ないのは不公平ね」


 ライラをジャスティスのアジトに案内した。

 最初に行ったのは地下牢。

 罪人を殺す快感に目覚めれば、ライラもきっと分ってくれる


「この人を殺せっていうの。なんの罪で? それに私達に裁く権利があるとは思えない」

「こいつは重罪人なんだよ。生きていく価値もない」

「でも怯えているわ。私は殺せない」

「勇気がないんだな。こうやるんだ」


 僕は罪人に剣を突き入れた。

 ライラは悲しそうな目をした。


「こんなことは許されないわ」

「誰に許しを請う必要がある。ジャスティスはそういうものに縛られない組織だ」

「帰らせてもらうわ。二度とジャスティスの名前は出さないで」


 くそっ、ライラは何で分かってくれない。

 まだブタキムを支持しているのか。

 そう言えば最近ブタキムの女達と仲が良い。

 ブタキムめ、どうせ甘言で釣ったのだろう。


 豚肉料理にも慣れた。


「コプラさん、ここに案内したのに、どうしてもジャスティスのことを分かってくれない人がいます」

「ふむ、それは良くないね。どんな非合法なことをしても彼女を引き入れるか」


 コプラさんは首に手をやると横に動かした。

 ライラは極悪人ではない。

 でも勧誘に応じないのは悪なのではないか。

 色々な手を使ってみよう。


 まずは、強姦魔が捕らえられているから彼に頼もう。

 悪を知れば正義に目覚めるはず。


「ここから逃がしてやってもいい。ただし女をひとりやってほしい」

「殺されないなら何でもする」

「仕事を終えないうちに逃げたらどうなるか分かるよな。ジャスティスはどこまでも追っていく」

「ああ、分かっている」


 強姦魔がライラの後を付ける。

 ふひひ、事が済んだら、強姦魔は殺そう。


 さあ、始まるぞ。

 路地で強姦魔がライラに襲い掛かる。

 ライラは怯えて震えているだけだ。

 そこにネジル教徒が来た。


 ネジル教徒が黒い霧で強姦魔を包むと強姦魔は嬌声を上げてピクピクした。

 何だって言うんだ。


 強姦魔はネジル教徒に連れて行かれた。

 くそっ、ブタキムの野郎め。

 強姦魔を処分しないと。

 強姦魔はネジル教徒の神殿に入ると、変な十字架のペンダントをして恍惚とした顔で出て来た。


「おい、何やっている?」

「ジャスティスのことは洗いざらい喋りました。あんな世界があるだなんて。私はこれから心を入れ替えて生活します」


 殺さないと。

 剣を抜くと剣が黒い霧に覆われて錆びてボロボロになった。


「くそっ」

「人を害する武器は土に」


 もう口封じは遅いのか、撤退するしかないな。

 いや後を付けよう。

 強姦魔は満足げに笑うと、どこへ行くかと思ったらライラの所に行った。

 ライラはまだ怯えて萎縮している。

 強姦魔はライラに声を掛けて、そして立たせた。


「謝罪を受け入れるわ。あなたはこれから善人になって償いをして生きると言ったけど、その言葉を信じます」


 何だよこの結末は。

 イライラのモヤモヤだ。

 罪人を3人は殺さないとイライラは晴れない気がする。


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