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第18話 金貨の入った袋で殴られた

Side:コラプ


 くっ、ラージアントの策が失敗した。

 まさか毒でくるとは思わなかった。

 蟻の好きな砂糖を入れただと。

 いくら金が掛かる。


 邪神教団は金集めのことなど考えたことがない。

 必要なら稼ぐが、その手段は盗賊だ。

 他の教会が金儲けしているのは知っている。

 だがあいつらはモンスター退治に金を出したりしない。


 金貨の入った袋で殴られた気分だ。


「未来予知を。指を失わない方法にしてくれ。死ぬのは怖くないが、まだ死ねん」


 予言スキル持ちに俺は尋ねた。


「【予言】。ウルフ系モンスターを誘引剤でおびき寄せる手がありますが、殺せる確率は10%に満たないでしょう」

「誘引剤を撒くだけなら簡単だが、10%以下か。そうだ、あいつらのネジル教を倒したい」


 前はネジル教の金の力でやられたからな。


「【予言】。では、宗教対立を煽るのが良いと思われます。ただこちらも確率は低いです」

「嫌がらせ程度にしかならないか。仕方ないな。やらないよりましだ。俺の指を使う場面は何時来る?」


「【予言】。その時にならねば分かりません」

「そうか」


 早速、平原に行ってウルフ系モンスターの誘引剤を撒いた。

 グラスウルフがまず寄って来た。

 グラスウルフは草原を好むモンスターだ。


 続いてパックウルフが来た。

 パックウルフはとにかく群れる性格のモンスターだ。

 1万頭規模に膨れ上がることもある。


 ビッグウルフも来た。

 ビッグウルフは図体がでかくて群れない。

 孤高のモンスターだ。


 そのぶん戦闘力はグラスウルフより高い。

 あれはフェンリルか。

 フェンリルが来たのなら、かなり確率が上がるに違いない。


 これでもまだ10%か。

 おとぎ話の勇者だってこの大群には敵わないだろう。

 上手い具合に、フェンリルがボスに収まった。

 同士討ちしなくて良かった。

 戦力を同士討ちで減らしたら、もったいないからな。


 あとは進む方向を誘引剤で作るだけだ。

 群れの歩みは遅い。

 王都到着まで1週間ぐらいか。


 さて、宗教対立か。

 邪神教なら他の宗教は即座に死ねだから、対立も何もない。

 創造神教、愛の女神教、鍛冶神教、戦神教、色々とあるが。

 どこを焚きつけるか。

 規模が大きいのは創造神教だ。


 これにするか。

 創造神教ならネジル教など赤子の手をひねるように潰すに違いない。


 創造神教に潜入させている邪神教の信者と連絡を取った。


「何なりとお申し付け下さい」

「ネジル教を潰したい。何かあるか?」

「表だっての迫害はできません。他の宗教とも暗黙の不戦協定がありますので。討論会ですかね。遠回りなようですが、論破すれば信者や参拝者を減らせます」

「よし、その方向でいけ。討論会の参加者に心当たりがある」


 リードが創造神教だったな。

 奴にやらせよう。

 原稿とかこちらで用意すれば変な事にはならないはずだ。


 まあ、負けても邪神教の損はない。


Side:リード


「ブタキムと討論会ですか。打ち負かしますよ。あいつは頭悪いですからね。試験もきっとカンニングしたに違いない」


 コプラさんから討論会に出てほしいと言われた。

 相手はブタキム。

 これをやらないなどあり得ない。


「ブタキムの弱点は知力か。だが、ラージアントは毒で上手く仕留めたぞ」


「どんな毒ですか?」

「高価な毒餌だが」


「頭の悪いブタキムらしいじゃないですか。高けりゃ美味いと思っている」

「いや、そういう問題だったのか。偶然蟻が好きな餌を撒いたのか。砂糖を使うのは見事だったがな」

「あいつのことだから、子供の時に砂糖を撒いて蟻を集めて、踏みつぶすみたいなことをやってたに違いありません」

「そうかもな」


 納得いかなそうなコプラさん。

 ブタキムのことを認めているのか。

 敵なのにそれは不味いでしょう。

 強奪スキルで強敵だっただけで、それも武力で優位に立っていただけに過ぎない。

 それと貴族の地位だ。

 それを振りかざしていただけだ。


 ジャスティスという後ろ盾を得たいま貴族なんか怖くない。

 その証拠に、討論会の参加者に僕を押し込めた。

 ジャスティスの偉大さの証明だ。


「やってやりますよ」

「頼んだぞ」


 ネジル教の弱点なら色々とある。

 セックスで勧誘する宗教がまともなはずない。


 地下室で罪人を殺す。

 たぎってきた。

 股間が熱くなった。

 僕は頑張れる。


 そして、騎士学園から勧誘した仲間と豚肉料理を食べた。


「ジャスティスの規則などを教えて貰えますか」


 仲間にした奴がそう言った。

 そう言えばそういうのを聞いたことがない。


「コプラさん」

「ああ、言ってなかったな。正義を成す。だがジャスティスは全ての生命の保護者だ。そこにはモンスターも含まれる」

「モンスターを殺したらいけないのですか?」

「やむを得ない場合は仕方ない。人間は悪党が多い。モンスターや動物に悪という考えがあると思うかい。悪を成すのは人間だけだ」

「それで悪党を懲らしめるのですね」

「そうだ」


 ブタキムは絶対に許さない。

 真っ先に殺すべき人間だ。


「他に規則は」

「ない。たとえ悪党を殺すために善人が犠牲になっても問題ない。ジャスティスは法には縛られないのだ」

「善人の方が可哀想ではないのですか」

「悪党を殺すための犠牲になれたのだ。天国に行けるだろう。感謝してほしいぐらいだ」


 そうだよな。

 ブタキムを殺すために、ディータとフラッチェが邪魔になるならためらわずに殺す。

 それが良い事なんだ。

 その時を想像してまた股間が熱くなってしまった。

 たぎっている。

 もうひとりぐらい悪人を殺せないかな。

 コプラさんに頼んでみよう。


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