第91話『同盟』
僕たちは空間に突如として現れたアウリスをじっと眺めていた。
アウリスは片方の目が赤くなっており、明らかに普通のアウリスではなかった。
「お、お兄様!」
とマルクはアウリスのもとに寄ろうとしたが、アウリスが接触を拒んだ。
アウリスは魔法を僕たちに向かって放とうとしている。
「…危ない!君たちは今すぐ離れるんだ!君の友達はもう…」
とレイヴン騎士団長は僕たちの前に出て剣を抜く。
するとアウリスは魔法の発動を辞めて剣を手に取る。
「…レイヴン騎士団長…か、私はそんなに危ない存在になったのだな。フハハハハハハハ」
アウリスは聞いたこともないような声で笑い始め、アウリスは自分の首元に刃を当てる。するとうっすらと血が出てきている。
「…君のお友達がどうなってもいいのかい?」
とアウリスは少し意味の分からないことを言う。
するとレイヴン騎士団長は
「君の友達は...乗っ取られたのだ」
そう騎士団長がつぶやいたことで、場の緊張が一気に走った。
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…何だここ
俺はさっきまであいつと戦っていたのだが、レイに触られたところで意識を失っていたところだ。
すると、俺の目の前に、俺がやってきた。
「…お前は何者だ」
「…俺は俺だが?」
と俺が言うと、少し溜めてこういった。
「…せっかく俺の体使ってんのに、あいつごときにこのざまかよ。使えねぇな」
と、俺は俺自身にののしられている。
もう意味が分からねぇな。
「だがまぁ、作戦自体は結構いいぜ?この俺だって惚れ惚れしたほどだ」
と、謎に評価をしてくるのを見て俺は思った。
お前何様なんだよ、と。
「…あいつはお前にむっちゃ懐いてんだな」
「マルクのことか?」
「そうだ、俺の知っているマルクじゃなかったしな。少なくとも俺の知っているマルクは俺に対してあんなことはしなかった」
「それお前自身の問題でもある気が…」
するんだがと俺が言おうとしたところで、もう一人の俺が遮る。
「…お前の記憶、面白かったぜ。俺の知らない世界がたくさんだ。おかげで暇をつぶせたぜ?」
「俺の記憶を…見たのか?」
「そう言ってるんだが?」
あぁ、駄目だこいつ、人のやってほしくないことをピンポイントでやってくれるなこいつ。
そう思っていると、またもう一人の俺がこう言ってきた。
「…しばらくの間、俺に全てを委ねないか?流石にあんな奴に俺の体が使われると考えたら気味が悪いぜ」
「それは同感だ。ここは協力しよう」
と、俺たちは謎の空間で同盟を結んだ。




