表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
94/95

第89話『無駄だ』

…あぁ、やっぱ見つかるか。


「ようやく見つけたぞアウリス、やはり未来予知の能力からは逃げられんのだ!おとなしく殺されるがいい!」


すげぇスピードで走っているようだが、俺にはそんなのは関係なかった。

するとレイは俺のもとまで一気に加速する。


「ふ、貴様はこの先を進むのだろう?視ればわかるのだ」


と俺の進行方向を阻む。

だが俺は一気にボディフェイントではがす。


まるでサッカーをしている気分だ。


すると、それに負けないようにレイがついてくる。


「無駄だと言っているだろう?」


と走ってくるが、もちろん俺の方が早い。

じわじわと離れるのが分かるが、俺はとあるものに躓いてしまった。


「は、貴様はここで転んでしまうのだろう?視えていたのだ!」


うるせぇんだよ!何が見えただ!能力に頼ってるだけだろ!

まぁいいさ、俺の手にあるこのロープを…燃やせばいいさ。


「…火炎(ブレイズ)


すると、一直線に炎が燃え盛り、俺に一気に近づいていたレイは服に炎が燃え移る。


「…き、貴様ぁ、まさか…これをするためにわざと…」

「いや、これをしようと思ったのはまだまだ先のことだ。でもまぁ、ちょっと馬鹿なところを見せてくれたのでありがたかったですよ」


と俺は一気に詰め寄って魔法を放とうとするが、レイの隠し持っていた包丁が俺の腹に突き刺さる。そう、あの夢のように。


「…ぐはぁ!」


俺は見事に包丁が腹に刺さってしまった。


「…ここまでされてたとは思わなかったが、火炎(ブレイズ)は私の一言で消せるのだよ」


というと、レイはロープに燃え移っている炎を振り払いながら除こうとするが、何故か火が消えない。

するとアウリスは、腹に包丁が刺さったまま話し始めた。


「…やっておいてよかった、見ろ、手が油まみれだろ?」

「…な!」


レイが手を確認すると、確かに油まみれだった。


「…それに、ライターも使ってっからすぐには消えないぜ」

「盲点だった!私は確かに魔法によって放たれたものは消せるが、それ以外は消すことができない!」

「諦める…んだな」


流石に納得できないのか、レイはアウリスのもとに力づくでやってくる。


「…このまま燃えてしまう前に...お前に...乗り移って…」

「な、何をする気だ?!」


するとアウリスの目は似つかない赤い文様の瞳になり、少し意識をなくすとすぐに起き上がる。


「…さぁ、みんなのもとに会いに行こう」


と、アウリス(?)はレイのの体を持ちながら亜空間の扉を出たのだった。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ