第85話『兄貴』
「まぁ僕は別の方に住んでいたからマルクは知らないかもだけどね」
と言いながら話し続ける自称兄貴。
何言ってんだ、俺が本物の兄貴だ。
「君は...何者なんだい?」
「俺は俺なんだが…」
何だよこの自称家族!
メンヘラしかいねぇのかよ!
「お兄様…」
「マルク、呼ぶんだったら名前にしてくれ、ややこしくなる」
「分かりました、アウリスお兄様!」
うん、俺から言ったんだけど破壊力ヤバいな!
すると、謎の空間が表れてあの自称父親が出てきた。
「…アウリスは私に殺させろ、あいつはお前に任せる」
俺はもう…放心状態になっちゃうね。
すると俺は自称父親の方に謎の空間に連れてかれて、マルクと別れることになった。
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俺は、あの自称父親の方に来ていた。
「…その自称父親って呼ぶのはやめてほしい、私の名前はレイだ、建前上はな」
「レイさん…手か何でおれの考えていることが分かったん?」
そう、俺は実際にそう考えていたので、読まれていると思ったらちょっと不気味で怖すぎるなと思ってしまった。だってそうじゃん、読まれていたら気持ち悪くね?
「…まぁいいさ、お前はこの亜空間の中でじっくりと殺してやろう」
「この亜空間、何か気持ちわる」
何かぐっちゃぐっちゃだし、柄も悪い。
見ているだけで吐き気がしそうな場所だ。
「ふーん、そうか。で?あんたは何ができんの?レイさん?」
また煽っちまった。
何でおれは煽っちまうんだ?
マウント?
メイ〇ンマウント?
ごめんなさい、それはサッカー選手でした。前世の死ぬ前のニュースでちらりと見たくらいだ。
「覚悟してろ!」
レイがそう言うと、場の空気がもっと重くなった気がした。
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僕は今、自分の兄を名乗るものとこの場にいます。
「覚えていないなら教えよう、僕の名前はマルチネス一家の長男のクエリーだ」
「クエリー…やはり思い出せませんね」
僕はその名前を聞いても思い出せないのです。
「まぁさっきも言ったけど、別の方で暮らしていたからなくても当然かもしれないけどね」
と、僕が思い出そうとしているときに話してくるこの男。
「そうだなぁ…。一つ教えるね。マルク、君はね…クロドネス家に記憶を消されたんだ」
「き、記憶…?」
マルクはまさかの衝撃の事実に口が開かなかった。