第82話『だってーwww』
「そうなのか?」
俺は今、トイレから帰ってきたところなのだが、まさかのマルクの父さんがやってきたようだった。いや俺たち兄弟だよな?でも確かに似ている部分は...分からん。
だがとにかくこの事実を確認するべきだと思ったので聞いてみる。
「僕は...分かりません」
「そうか、じゃあお前は本当に誰だ」
俺はその謎の男に向かう。
すると、実はひっそり持ってきておいた聖なるしずくが反応した。
「…反応した?」
ラインハルトが驚いていると、俺はポケットの中から聖なるしずくを取り出し始めた。
「これか」
「アウリス…やはり貴様は危険な存在のようだ、それにマルクとどんな関係なのだ…」
メンヘラか
「兄弟だな、それ以上でもそれ以下でもない」
するとその金髪男性は俺のもとに向かってきた。
「やはりアウリス、貴様は殺す必要がありそうだ。覚悟していると良い」
え、待って、何で俺は自称父親に殺されかけてんの?
そう思いながら、ただ俺はその場を見ることしかできなかった。
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ようやく私の息子を見つけたのにもかかわらず、兄貴を名乗るものが出てきてしまった。
なので私はアウリスをやはり殺すことにした。
「やはりアウリス、貴様は殺す必要があるようだ。覚悟していると良い」
私はアウリスに駆け寄ると、アウリスからは聖なるしずくが反応する。
私は聖なるしずくに嫌われすぎていて、アウリスに近づくことができない状態だ。
「なんだお前?」
アウリスはそう一言話していたが、私にとってはどうでもよいことだった。
なのだが、私がアウリスに近づいたら聖なるしずくではない、謎の気配を感じ、とっさに離れることにした。
(…何なんだこの気配、アウリス、やはり貴様は危険だ)
アウリスに近づくと、私の本能は「危険だ、逃げろ」という信号を発する。
今まで戦うときはこんなことはなかった、私の能力があればこんなことはなかったのだが、アウリスに近づくとそのような気配を感じてしまう…
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何かこいつ、急に離れたな。
何か懐にヴィルシスを入れておいたおかげかな。
…そんな銃殺対策のための本とちゃうんだからさ。
当のヴィルシスは、何かを感じていたのか、かなりすごい表情しているのが伺える。
「…マルク、大丈夫だったか?」
マルクが俺のもとに走ってきた。
ちょっと息を切らしているのが、焦ってまで俺のもとに来たのがよく分かる。
「は、はい。僕はあの人に見覚えはありません」
「だってーwww」
俺はあの男性にちょっと小ばか気味に話した。
うん、絶対しなきゃよかったわ。
あいつすっごい目してる。
改めて煽るのは良くないなと感じた。