第81話『ついに』
今日、俺たちは広場にやってきていた。
うん、言い方が悪いな、分かりやすく言うならば運動場みたいなところだ。
「今日はですね、特別な魔法の種類について説明しますよ?」
フローラモさんが分かりやすく説明する。
そんな中、いっつも思うのだが俺はこういう時、大体腹を壊してしまう。
「…悪いマルク、俺はトイレに行ってる」
「お、お兄様?!」
俺は最高速でトイレに向かう。
男子トイレの表札が見え、個室トイレに駆け込む。
俺の中の不純物がどんどん解放されるのを感じると…すっきりした!
「あっぶねぇ」
俺がそう思っていると、突然運動場の方から爆音が聞こえてきた。
そう、アウリスは知らないのだが、王都を襲撃された時ももちろん、いきなりの奇襲だったのだ。
「…花火大会か?」
↑
何言ってんのこいつ。
________
僕は、お兄様がトイレに行ったことに疑問を思いつつ、フローラモ先生の授業を受けているのですが、正直魔力も持っていないのでちょっと懸念してしまいます。
「…というのが一応特殊魔法として認定されて」
いますねとでも言おうとした瞬間、僕たちの目の前に、謎の金髪男性が強力な魔法を使用する。
「…あぁ、やっと見つけたよ。その瞳は変わらないねぇ」
その男性はそう喋っているのだが、いったい誰に向けた言葉なのかが分からない。
そう思っていると、僕の動きは完全に止められた。
「その瞳、うん、やっぱり変わらないねぇ…、その可愛らしい瞳」
と言いながら自分に触ろうとしてくる。
「…何をするんですか!触らないでください!」
と叫ぶも、その思いは届かず、その男性の手は、完全にマルクの顔に触れていた。
「久しぶりだ、私のことを…覚えているかい?」
男性がそう話しかけてくるも、僕はもちろん覚えていない。
ラインハルトが僕のもとに走ってきた。
「マルクを放せ!」
そう言いながら魔法を放つも、その魔法はあの男によって完全にはじかれる。
「今…感動の再会をしているんだからさ、邪魔しないでよ…」
「再会…?」
僕はこの男に一度もあったことはない。
だから僕とその男性の関係値がより分からなくなってくる。
「覚えていないのかい?酷いなぁ…私は…」
すると男性は言い溜めた後にこう言い放った。
「…お前は私の息子だよ」
「…そうなのか?」
今衝撃な一言だったはずなのに、空気を読まずに入ってきた男がいた。
「マルク?そうなのか?」
そこに立っていた男は...トイレに行っていたアウリスだった。