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第78話『こういうのが一番怖い』

俺は一人、自分の部屋にいて、あの注意書きについて考えていたところだ。

誰かのいたずらだと考えるのは妥当だろうが、ファンタジーだとああいうのは絶対に何かの伏線になってくると考えていいだろう。


…例えば未来の俺が?封印されし何かが?


あああああああああああああああ!こうやって考えるのは俺のキャラじゃねぇんだよ!転生してからは考えなしの行動が多かったから、考えるのは慣れてねぇんだよ!


「…はな、ヴィルシス、起きてるか?」


もう俺自身が考えてもらちが明かないのでヴィルシスに話を聞くことにした。


「さっきから起きてるわよ。で、何?」

「…この前図書館にあった聖なるしずくについての本を見た時、左上に『アウリスには気をつけろ』って書いてあったのだが、一体どういうことだ?」


ヴィルシスは少し考えたうえでこう言い放った。


「…さぁ」


至極まっとうな意見だった。

…答えるまでに結構溜めたから、結構的確な答えを言うのかと思ったら…そりゃそうか。


「…まぁヴィルシスですら知らないとなれば、本当にどうすればいいのか分からなくなってきたな」

「いっつも思ってたけど、私のことをなんだと思ってるの?」

「まぁ、それなりに知識のある竜?」

「私だって全知全能じゃないからね」


と言われ、さらに謎が深まるばかりだった。


________


俺が一人で教室に入ると、誰もいなかった。


「…誰もいないのか?」


机を見ても、誰もいないことは確かに分かった。

俺が教室を間違えているかと思って確認するも、確かに俺たちの教室だった。

移動教室?だとしたら俺だけ知らされていない...いじめ?


可能性としては本当にそれくらいだった。


「…まぁあんだけ陰口言われたら起きそうな気はするけどなぁ」


あの時はヴォルティオールがいてくれたもんで収まったけど、今考えれば俺のことをよく思っていないやつの方が多い訳で...

何が言いたいかというと、そういうことだ。

何が言いたいんだよ。


「…マルクもいないぞ?ヴォルティオールは?ラインハルトもいないじゃないか」


よく考えて見ると、外にも、他の教室にも誰もいなかった。

いつもだったら外で魔法の授業をやっている生徒たちがいるのだが、今日はいなかったし、他の教室で授業をする声も聞こえなかった。


「…ど、どういうことだ?こういうのが一番怖いのだが……」


俺はちょっとパニックになっていた。

人が一番怖いって感じるのは多分、お化けでもなく、暗いものとかでもなく、こういう何もない静かすぎる時が一番怖い気がする。

すると、教室の外から、要するに外から何者かがこちらを見ていることが分かった。


「…運動場の方か?人がいるんだが…見えないな、老眼じゃないよな?」


豆粒みたいなのだが、とにかく人を見つけ、安心していると、こちらを見つめた後こちらに向かって走ってきた。


「…俺のことを見ていたようけど、あいつ視力いくつだ?すげえなあいつ」


すると、階段を駆け上がる音が聞こえて、ついにこの教室の中に入ってきた。

そいつの手には包丁が握られていた。

すると俺のもとに走ってきたが、俺は反応することができずに刺されてしまう…


_______


俺が目を覚ますと、そこは俺の部屋だった。


「…夢だったのか?」


夢にしてはかなり新鮮な夢だった。

しかも動けなかったことを考えると、かなり気味の悪い夢だった。


「…準備するか」


俺は教材をもって、教室に移動した。

…もちろんみんないたぜ?

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