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第76話『いるんだな』

俺は聖なるしずくの情報を求めるため、図書館にやってきていた。

マルクは先生からお呼び出し、ハルトは急用、ヴォルティオールはとある集まりに出席しているらしい。


というわけで、本の種類が多すぎてよく分からないのだが、とにかくそれっぽいものを探す。


「ど、どんな本をお探しですか?」

「その声は…セレナ嬢?」


俺の目の前にセレナ嬢が立っていた。

何というか…可愛いなこの人(語彙力0)。


「あぁ、聖なるしずくについての情報を知らないか?」

「せ、聖なるしずくですか!?」


まぁ驚いてしまうのも無理はないだろう。

こういった本は普通に見当たらないものだろう。


「…というかセレナ嬢はここで一体何を?」

「そんな一気に質問しないでください!」

「わ、悪い…」


俺の最近の悪い癖だな。

質問を質問で重ねてしまうアレ。


「…私は図書委員をしています、そして聖なるしずくは...」


と何かの本を開き、確認をとっているようだった。

それにしても、図書委員ってどこの世界の学園にもあるんだな。



「…こちらの方にあります、着いてきてください」

「分かった」


俺は素直にセレナ嬢についていく、すると何やらすごい扉があった。


「…ちょっと待っていてください」

「………おいちょっと待て!ここ立ち入り禁止じゃないか!」


俺は、『先生の許可のないものは立ち入りを禁ずる』という張り紙があることをセレナ嬢に伝える。


「…大丈夫です。バレなければ、大丈夫です」


彼女はそう言いながら、凄い扉を開く。

…言ったことあるな、その言葉。


________


「…これでしょうか」


凄い扉の先にあったのは、とても古い図書室のようだった。

高い本棚を、魔法を使ってとるセレナ嬢、俺はそれを見て「そういう使い方があるのか」と思いながら見ていた。


「あぁ、多分これだ…というか、全然名前呼ばないな。呼び捨てでもいいんだぞ?」

「そ、その…呼び捨ては...」

「…?」

「そ、その…」


おっと、これ以上セレナ嬢をからかうのはやめだ。

聖なるしずくのことを伝えなければならないし、そのためにもこの本に書いてあることをもいておかなければならない。


「…ほう、聖なるしずくは...クロードから聞いたものとはほとんど一緒だな」


そう思ってみていると、左上に小さな文字でこうとだけ書いてあった。


『アウリスには気をつけろ』


…は?意味が分からない。どうして自分自身に気を付けなければならないんだ?

そう思っているのはセレナ嬢も同じらしく


「どうして気を付けなければならないのでしょうか、何かしましたか?」

「俺は特に何も覚えてないぞ?」


俺はなんだか視線を感じたのでこの本を棚に戻し、一刻も早くこの図書室から去った。

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