第75話『持ってるんかい!』
俺は今、教室にいるのだが、ラインハルトとマルク、そしてヴォルティオールがそろっている状態だ。そんな中、みんなが頭を抱えている。
「どうしたんだ?」
「お兄様…ですか」
「アウリスさん…」
「アウリス…」
みんなが死にかけている様子だった。
「何でそんな落ち込んでいるんだ?」
「「「だって…探し物が見つからないんですから!(だから!)」」」
とみんなが声を揃えていった。
もうお前らトリオ組んだら?
「どんな探し物か?聖なるしずくか?」
「よく分かっていますねお兄様」
「そうだよアウリス、あと2つ見つけたらいいんだけどね」
あと2つか。
探したら見つかりそうじゃね?
「何個集めたらいいんだ?」
「7つのうちの5つは見つけたんだよね」
「あと2つなんですけどもね、アウリスさんは知りませんか?」
あと2つ…だったらこのかけらか?
きらきらしているなぁとと思ったけどな。
「これのことか?」
俺はそう言いながら、ポケットの中からかけらを2つ取り出す。
「「「…どうして先に言わないんですか!(の!)」」」
まぁ足しても行き会ったよこの3人。
今日一の大声が出たなぁと思いつつ、アウリスはこのかけらを渡した。
「お兄様…何で言わなかったんですか?」
「それが…その聖なるしずくなのか?」
「質問を質問で返さないでください!そうですよ!」
とマルクがちょっと怒り気味で俺に話す。
この様子すら可愛らしいと思えるのは俺だけなのだろうか。
「まさかアウリス、聖なるしずくを知らなかったの…?」
「すまない、そうなんだ」
まさかのラインハルトにも驚かれる始末だ。
ヴォルティオールは...
「アウリスさんのことです、何か別のことで頭がいっぱいだったと思いますよ?」
フォローありがとうございます、ヴォルティオールさん。
ほんとマジで。
「お兄様、今ヴィルシスさんはいませんか?」
「あぁ、いるが…」
今は寝ているからな、起きているかどうかわからない。
どうして寝ているかって?人の姿になった時の副作用なのだそうだ。
「…呼んだ?」
「起きてるんかい」
俺は起きていたヴィルシスに対してそうツッコんでしまった。
「これは...聖なるしずくね、ごめん、私はそういったことは分からないの」
「そうか…」
俺たちが質問を終えると、ヴィルシスは俺の中に入っていった。
「…ヴィルシスでも分からないんだ」
「まぁヴィルシスでも知らないってなるとどうしようもないな」
俺たちは結局どうすればよいのか分からないまま、それぞれの部屋に戻った。