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第7話『久しぶりに始めまして』

ここは…さすがに現代に戻ってきた…というわけではないな、だって隣にマルクがいるんだもん。そして…


「お父様、心配をおかけして申し訳ございません」

「遊びすぎて疲れたのだな、まあ仕方ない。若い時というのはそういうときもある」


疲れたんだなと思っている父さんの横で


「兄様が倒れたときびっくりしたんだから!」


と普段の言葉遣いを忘れてしまうくらいに心配していたであろうマルクがいた。


「マルク、ごめんごめん」


そうして外交は今日も順調に行われ、明日で最終決定ということになった。それまでフリータイムなのだが…


「久しぶりですわね、アウリス殿」

「アリシア第一王女…お久しぶりです…」


アリシア第一王女と出会ったのである。何と言うタイミング…いや待て待て、外交というのはそういうことも起こるもんだ、仕方ない。


「じゃあ、わたしはこれで…」

「お待ち下さい!」


とアリシアは俺を呼び止めた。


「まだなにか…?」


早くしてほしいのだが…


「あなたって話し合いのときずっと別のことについて考えていませんでしたか?」


…! なぜアリシアは鋭いのだろうか、そのとおりである。どうやったらマルクを表舞台に立たせられるチャンスを作れるのかどうか考えていたからである。

まさかそこを当てられるとは思っていなかった。もうエスパーになったほうがいいのでは?


「もしかして私のことを?!」

「それだけはありませんのでご安心ください」


良かった、ただの自意識過剰系女子だった。


「もう、冗談なのに」


あなたは自分のことを理解してなさすぎる。











「おい、そこのお前」


振り返るとそこにはいかにも偉そうな格好をした人がいた。


「何でございましょうか」


おいおい、何だこのエセイケメンみたいなやつ、早くマルクを表舞台に立たせる準備をしなきゃなのに…


「アリシアとはどんな関係なんだよ」

「あなたが思っているほどの関係ではありませんので」


と、親密な関係ではありませんよとアピールをする。だが態度が良くなかったのか


「てめぇ…調子に乗ってんじゃねぇぞ」


と言われてしまった。


「あなたのお名前をお聞きしても?」

「俺はアルバート第二王子だ、覚えておけよ」


ちぇ、俺よりも立場が上じゃねぇか、なおさら面倒くさいな。まあ俺に突っかかってきた理由は察しがつく、それは、こんなやつのくせして王女と関わっているからだろうな。わかるよ、俺も、たしかに高嶺の花と呼ばれている美少女と陰キャが結ばれたらムカつくもん。


「私の名はアウリス・クロドネスと申します」

「アウリス…覚悟していろよ…」


やべ、名を名乗っちゃいけなかった系か?もしかして…










「お兄様!」

「マルク…待たせたか?」

「いえ全然!」


俺は今日もマルクとともに街を回ることにした。待たせていないか心配だったのだがそんなことはなかったようだ。


「それじゃあ行くか」

「はい!」








「今日も楽しかったですね、お兄様」

「そうだな、マルクといるのは楽しいな」

「僕もです、お兄様」


俺にも兄弟がいたらこんな会話したのかね。

そう思いながら会話をしていると


「あの…お兄様…」

「何だ?」


少し迷いながら


「今日…お兄様といっしょに寝てもいいですか?」

「え?」


まさかのお誘いで俺は驚きを隠すことはできなかった。

次の話でもぶっ倒れそう、別の意味で

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