表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
78/95

第73話『かけら』

ちなみに、昨日のことをヴォルティオールに聞いたら「私は昨日、帰ってから一度も教室には向かっていませんよ?」と言われてしまう始末。


「…どういうことだ?やっぱ様付けじゃなかったから…()()?だとしたら何が目的だ?」


と一人、自分の部屋で考え込む。

昨日の一軒のことだ。


あのかけらはヴォルティオールに反応したが、今日のヴォルティオールに近づいても何も反応はなかった。何だあれ。


そう思っていると、誰かが俺のドアをノックする。


「…アウリス~」


とヴィルシスが入室する。うん、何かあったのか分からないが、とにかく…何かあったんだな(語彙力0)。


「どうした?」

「どうした?じゃないのよ!勝手にマルクに預けさせて!何を考えているのよ!」

「はぁ、すまん」


俺が謝罪すると、ふん!と言いながらベッドに横たわる。

…そこ、俺のベッドなんですが。


「ところでさぁ、なんかラインハルトたちが探しているらしいわよ?」

「何をだ?俺か?」

「いやアウリスは基本ここか教室じゃない。違うのよ、何か…聖なるしずく?を探しているらしいんだって」


なんだその厨二感を感じさせるような名前は、絶対ファンタジーな世界じゃないとあり得ないだろ。

…ここファンタジーの世界だったわ。


「特徴は何だ?俺も見つけられたら見つけようと思っているのだが…」

「私もさっぱりだわ、特徴を聞き忘れちゃったし」

「何してんだよあんた」


俺はそう思いながら、ヴィルシスと1日中話した。


________


(…ふむ、まさかアウリスと倒すことができなかったとはな)


レイは今日、とある生徒に変身して、アウリスのところに近づいた。

どうやら私が変装した生徒は”ヴォルティオール”という名らしい。


アウリス自身は気付いていなかったようだが、アウリスのポケットから何か発光し、私との接触を拒んだ。


(…まさか、聖なるしずくを持っているとはな)


アウリスが持っていたものはおそらく、聖なるしずくなのだろう。

それは、とある性質上私との接触を拒む唯一の魔石だからだ。


(…アウリスが持っているとは思わなかったがまあいい、私の計画は、あともう少しで最終局面だ。新しい世界を、楽しみにしているがいい)


レイは、誰にも認知されない異次元で、一人そう思ったのである。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ