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第70話『何だこれ』

…ふぅ、トイレは気持ちいぜ。


俺はトイレの中に入り、中に入っている不純物を一気に出す。

それにしても、トイレの中って前世でも変わんないんだな。

やっぱり、学校のトイレって汚いイメージがあるんだが、ここの場合はそうでもないらしい。


「…なんだあれ」


俺は、便器の近くに何かかけらがあることを確認した。

きらきら光っていて、本当にきれいなかけらだなと思えた。語彙力がないな。


拾い上げると、不思議な感覚がする。


「…新感覚だな、取りあえずもっておこう」


俺はポケットの中に入れておくことにした。


________


俺は、授業をサボって辺りを散歩していた。

こんなところに教室があるんだなと思いつつ歩いていると


「こ、こんなところで...?や、やめてくださ」

「そういわないでくださいよセレナ嬢」


扉を少し覗くと、男子生徒が女子生徒を押し倒している様子が見られる。

最近の学生は活発だなぁと思いつつ、俺はこの場面を見つめていた。


すると、よく見るとさっきのかけらが教室内にあった。

男子生徒は、セレナ嬢の服を無理やりはがし、あられもない姿にさせた。


「…もうやめてください」

「ふーん、俺とやらせてくださったのであれば、セレナ嬢の両親の借金の件、チャラにしてあげましょう」


借金?チャラ?何言ってんだ?


俺はそう思いつつ、その場を眺める。


「…いくら許婚だとしても、これはやりすぎだと」

「俺の言うことが利けないというんですか?」


するとセレナ嬢は黙ってしまった。


(…もう見てられない!)


俺は扉を開けて二人のいる教室に突入した。


セレナ嬢は戸惑っている顔をし、男子生徒は焦った表情を見せた。


「な、セレナ!誰かに告発したな!」

「いえ、私は何も言っていません!」


何やらこの状況について慌てているようだな。


「安心しろ、セレナ嬢からは何も聞いていない。まぁ…」


男たちは、俺の言葉をただ聞いている。

そんな中、俺は溜めた後、


「たまたま通りかかっただけですよ?」


と俺はいやらしく笑う。


「…クッソ!」


と言いながら、その男子生徒は俺に襲い掛かってきた。

だが、どうしてだろうか。その男子生徒の動きが格段に遅く見えた。


「…なめ腐ってんのか?かなり遅いんだが」

「な…」


と相手の重心がちょっとぐらついたタイミングで俺は正拳突きを見舞う。

相手はよろめき、うずくまって倒れた。


「俺の…勝ちか?」


と思っていると、大声に反応した先生たちがこの教室に入ってきた。


「な、この騒ぎ…お前が起こしたのか!」

「え、ちょっと…」


俺が犯人にされてんのかよ!

どうしてなんだよ!

俺なんもやってないだろ!


俺がそう思っていると、セレナ嬢が口を開いた。


「このお方は何もしておりません!」


と口を開き、先生方の誤解を解いた。

そして俺は、セレナ嬢のお礼を軽く受け流し、かけらを拾った。


あの男子生徒の名はブレッド、退学になったらしい。

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