第65話『目覚めた?』
学園生活はぼちぼち過ごしているのだが、やはり毎日同じ生活をしていると退屈してしまう。
…いやとんでもない組織がいる事すっかり忘れてたわ。
そしてもう気にすることはなくなったけど、当たり前のようにマルクが俺の部屋に転がり込んでいるんですよね~…。いやそれだけではないんだ。
「アウリス様って…趣味はありますか?」
まさかのヴォルティオールまでくる始末だぞぉ?
いや仲いいとはいえ異性の部屋だぞ!!
と盛大にツッコミたかったが、前に俺が上げたことはあるので何も言わないでおこう。
「前にも思ったのですがお兄様はお部屋が寂しすぎます」
「マルクさんにまで言われるなんて…」
おい、俺の部屋の寂しさで意気投合するな。
すると部屋をノックする音が聞こえてきた。
「アウリス~、入ってもいいかい?」
その声はラインハルトだ。
とにかく俺は質素な部屋にラインハルトを上げた。
するとそんな彼の第一声は
「...寂しいね、アウリスの部屋」
…お前もか、寝られればいいだろ!
と思いながらも普通に過ごした時、ヴィルシスが俺の胸からひょこっと飛び出てきた。
するとマルクとヴォルティオールは平然な態度をとっていたがラインハルトは仰天してしまっていた。
「...アウリス?その竜は何だい?」
「あぁ、竜のヴィルシスだ」
するとヴィルシスはラインハルトの方へ向かった。
「ハルト、怯えなくても大丈夫だぞ?」
多分、一生慣れるのに時間がかかってしまうな。
今日はヴォルティオールとマルクは、俺の部屋に転がり込むことはなく、少し部屋の中だ寂しそうだ。
「...まぁこれが普通なんだけどな」
と呟くとヴィルシスが服からもぞっと出てきた。
「...どうせだったらさ、いろいろと物を置いているのもありじゃない?あの人たちもいないからさ」
と俺に模様替えを催促してくる。
…いや普通にそういうの興味ないんだけどね
「そういえばさっきからマルクたちを見かけないのだが…何か知っているのか?」
俺がヴィルシスに聞くと、ヴィルシスは少し口ごもりながら答えた。
「...マルクは多分、ヴォルティオールの部屋にいると思う」
「まさか…もう一線を越えてしまったのか」
「それはないと思うよ、マルクに限ってね」
と少しボケたつもりが即答されてしまった。
…マルクに限って?
と思っているとドアのノックが聞こえた。
俺が入ってくるように命じると
「...失礼します、お兄様」
となぜか女装をしたマルクが立っていた。
…目覚めた?