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第57話『マルクは』

あの大柄な男が宿に入ってきた。

俺は興味があったので早速階段を駆け下りてその男に会いに行くことにする。

すると早速受付にその男がいた。


「男一人、余っているところで構わない」

「…二階の突き当りの部屋の鍵です。ゆっくりお休みください」


杖と剣を持っているってなんか独特だな、俺の呼んでいたラノベでもあんなやつなかったし。

そう思っているとこっちに近づいてきた。


「…小僧、階段はどこだ」

「階段だったらあっちにありますよ」

「…助かる」


そう言いながら大柄な男は去っていった。

なんかああいう大柄な男に限っていいやつとか…そういうパターンだったら知ってるけどなぁ…。


「…お兄様!突然部屋を出ないでください!」


息を切らしている。多分走ってここまで来たのだろうか。


「あの人と関わるためだからといって突然部屋を出ないでください!」

「お、おう…?」


と何故か俺は説教を食らっていた。


「…でもあいつそんな悪そうに」

「いい人でも悪そうでも何も言わずには出ないでください!」

「わ、わりぃ…」


とお母さんみたく言われてしまった。












…俺の名はデルク、闇暗組織(ダークネスサイド)でNO.1の地位を確立させている男だ。

最近ボスからアウリスたる男の存在を耳にした。どうやらそいつは強いらしい。


最近の俺は強い相手に飢えている。組織に入ったのは元々強くなりたいからだ。だが組織のやつではもう歯が立たなくなった。


退屈だった。そんな中、ついに俺の退屈を無くしてくれる男が見つかった。それがアウリスだった。

その男、アウリスを見つけ出すために今俺はアルテンの地に降り立っているわけだ。


だがアルテンに来ただけで疲れてしまったので宿で休憩することにした。そのときに俺を見て怯え一つなかった変なガキがいた。髪は青色で口調も丁寧…、おそらく強いやつだろう。今まで倒せたやつも最終的には俺に怯えていたからな。アウリスもそういう強さなのだろうかと考えてしまう。


あぁ、水を飲みすぎてしまったのだろうか、トイレに行きたくなってきた。


そう思い立った俺はトイレに行くことにした。


…道がわからねぇ、迷子になったわけじゃない、取り敢えず探せば…


「トイレはそっちじゃないですよ」


後ろを振り返るとそこには青色の髪をしたあの変なガキがそこに立っていた。


「トイレだったらあっちに行けばありますよ。この宿大きくて正直迷いますもんね」


軽い口調で俺と話す青色のガキ。


「…そっちか、教えてくれてありがとな」


と俺はそのガキに感謝してトイレに向かう。

早くトイレを済ませてアウリスと戦ってみてぇ…


そうまたも闘志を燃やすデルクなのであった。













…あの人また道に迷ってない?


俺はたまたま部屋から出て散歩していたらあの男がウロウロしていたもんでトイレを教えてあげた。

するとすぐに行ったよ。そこまで我慢していたんだな。


「…いいことをしたもんだ」


俺はそう思いながらも自分の部屋に戻ることにした。マルクが待っているからな。

それにしても…


好きだって自覚してから一緒に寝ると何だか意識してしまう!!


(マルクは…俺のことを…どう思ってくれているのか…)


俺はマルクのことを考えていた。


(もしマルクが、俺を普通の兄貴という認識をしていたら…何か嫌だ)


どんどん胸の中がマルクのことでいっぱいになっていく。


(あまり恋をしたことがないからわからないが…この気持ちは普通なのか?)


と考えても永遠に答えの出ない問いばかりをしていた。


(…なんせ今考えても限りがない。今マルクと接していられる今を思い切り…楽しむとするか)


俺はそう思ったあと、マルクの眠るベッドに向かった。

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