第43話『私は①』
お兄様は少し遅れてやって来るらしい。どうしてなのか理由を聞いても教えてくれなかった。でもお兄様形に頑張っているので口を出すことはできませんね。それにしても今日はヴォルティオールさんとお兄様と遊ぶ日…
「やぁ」
「ヴィルシスさん…?何故ここに…」
僕は驚いていた。何故ならいつもお兄様の背中に潜っているヴィルシスさんがいたからだった。
「アウリスも人使いが荒いなぁ、まさかマルク殿と一緒に行くことをお願いされるなんて…」
「僕と?」
「そうそう」
まさかそんなことをお願いしてたなんて…
「あ、伝えてほしいことがあったんだ」
「伝えたいこと?」
そう自分が質問するとヴィルシスさんが肩に乗ってきた。
「何かあったらすぐにヴィルシスを呼べ、絶対頼りになるから…って」
「…どうしてそんなことを?」
「私が知りたいくらいだけど」
ヴィルシスさんを呼ぶ?どういうことだ?
「…もうそろそろ行く時間じゃない?」
「あ、本当だ!」
気付けば集合時間の30分前になっていた。
「女性は待たせちゃいけないからね」
「ちなみにヴィルシスさんは…」
「私はメスよ」
「あぁ〜」
ヴィルシスさんが女性だということを知った上でヴォルティオールさんとの待ち合わせ場所に向かった。
集合場所に到着したマルクとヴィルシス。その場所は噴水広場でとても眺めの良い場所だった。
「…きれいな場所ですね」
「私もアウリスと下調べのためにいったことはあるけど、ここまで人は少なかったなぁ」
「…今何と?」
ヴィルシスはマルクの顔を見ると目のハイライトが消えていた。
「…な、何もしてない!してないから!」
「だったらいいんですが…たとえ龍のあなたでもお兄様に手を出したら…許しませんからね?」
「わ、分かった…」
ヴィルシスは思った。マルクって愛重くない?と
さぁマルクたちは無事に到着したみたいだ。良かった良かった。
「…後はヴォルティオールが来るまで待てばいいんだよな?だけども…一向に来る気配がないな」
そう、ヴォルティオールが待っても待っても来ないのだ。
「…どうしたんだ?」
様々な可能性を考えたが分からない。本当に。
「…まぁ後の祭りだ。それにしても楽しみだなぁ…」
と呑気に考えているアウリスだった。
レビュー頼んます、辛口評価でも全然いいので