閑話『グリムとレーズベルの関係』
「…ふむ」
マルコ王子は悩んでいた。それは闇暗組織についてだった。
「王都が襲撃されるとはな、他人事とは思えない」
「夜遅くまで何をしているのだ?」
後ろから大柄な男が話しかけてきた。
「お父様…少し新聞記事を見ていただけです」
「闇暗組織か…体制を強めたりはして見るさ」
お父様…それはグリム国の国王、ラームだ。彼はかなりの実力者と言える。グリムをかなり早く発展させてきたラームは国民から慕われていた。
「騒ぎがもっと大きくなるようでしたらレーズベルの方にも協力を…」
「レーズベルか…相手が手を貸すかどうかだ」
レーズベルとはグリムが発展する前の剣の特産地だった、だがグリムが力を伸ばしてきた頃からライバル視するようになっていた。そして何よりもラームの代はもっと仲が悪いのだ。
「…魔の手がこっちに差し伸べることのないよう、祈るばかりだな」
「…」
〜レーズベル〜
「王都も落ちたものだな」
「そうであるな!父上!」
ここはレーズベル、父上と呼んだのがケヴィン王子、そして父はレーズベル国王のキセル王。キセル王はグリムのことをとても嫌っている。
元々グリムは奴隷を働かせていたのだが革命に成功して独立を果たしたのだ。それもあるが、一番の理由は力を伸ばしているところだ。自分の利益が出ないことを恐れ、とても嫌っていた。
「…まあどっちが上かどうかなんてグリムの国際闘技大会で決まる」
「グリムの輩が勝つことは有りません!こちらにはお金がありますから…」
と悪い笑顔を浮かべるケヴィン
「息子もワルになったものよ…フハハハハ!」
「ワハハハハハハ!見ていろグリムの野郎が!どっちが上か証明してやる!」
このように国際のことをちゃんと考えているグリム、もうそろそろ独裁政治に移ってもおかしくないレーズベルの現在の状況であった。