第17話『クラス別対抗戦①』
ここからちゃんとした戦闘シーンを入れます。
クラス別対抗戦が始まろうとしている。そんなクラス別対抗戦なのだが、a組とdでの戦い、それは実質アリシア、クロード、マルクの戦いであった。ちなみにアウリスはやばすぎるから除外とされていたらしい。
このアウリス、どうやって切り抜けようかこの戦い。今はマルクが作戦を喋ってくれているのだが、クラスの大半が納得していなかったようだ。
「別にこの戦いは争わなくても良いという点にあります。無駄な戦いはやめて、最低限戦うという方法でいきましょう!」
というのがマルクの作戦なのだが
「防戦一方ってことか?」
「なんのための戦いなんだよ!」
と話は平行線を辿っている。
「まぁ皆落ち着いてくれ」
「兄様…」
この状況を見てられなかったので俺が前に出て説明する。
「実際、リーダーが頑張って考えてくれた作戦に、リーダーに立候補しなかった人間が文句言えるのか?」
「くそ…何も言えねぇ」
「それに相手はクロード王子だ。変に突っかかってやられる方が馬鹿だ、たかが知れてる」
俺はこの状態を早く終わらせたかったのでリーダーの代わりに説明した。
「…とまぁこれがホントの作戦なんだよな」
「リーダーはここまで考えていたのかよ…」
「マルクってすごいんだな」
まぁ実際マルクの作戦を俺なりに解釈してこうしたらいけんじゃね?と思って喋っているってだけだ。
(お兄様はやはりすごい…)
マルクは感心していた。どれだけ話し合いを重ねてもまとまることのなかった結論、それを一つの案で束ねてみせたのだ。これは前世を渡り歩いてきたアウリスにだからこそできる芸当だったのだ。
「その作戦を中心に皆で勝利を勝ち取りましょう!」
マルクはリーダーとしての責任を果たしながらも、自身も戦場に身を乗り出すという、普通であれば非常に難しいことに挑戦しようとしていた。
「それでは両者共出揃いました!それでは始めましょう!」
こうして戦いは始まった。作戦はハマりつつあるものの、やはり脱落者という面で言うならば、俺達のクラスのほうが多かったのだ。そして、注目のマッチアップといえば、【クロードVSマルク】という注目カードだったのだ。
そんな両者の戦い方は
「王子ー!貴様の命運もここで尽きる!死ねー!」
「…」
無駄を一切削る方法、真正面で来た相手を華麗な技で避けてきた。否、避ける先に敵がいるという表現のほうが正しいか。そんな相手とマルクは戦おうとしているのだ。
一方マルクの戦い方はと言うと、
はぁ、はぁと息をちらしてしまっている。
敵を片っ端から潰す戦い方をしている。言うのであれば体力の無駄遣いだ。言うのであれば一日だけで日本を一周してやろうというくらいのハードワークを徹底していたのだ。
無敗の王子VS才能の原石
この戦いが、今、始まろうとしていた。
一方アウリスは
「ひぇー!狂人だー!」
「えー?」
と戦う前に大抵逃げられてしまう。