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第16話『デート』

女装要素あり

マルクは考え込んでいた。どうすればクラス別対抗戦で良い成績を残すことができるのだろうかと考えていた。


(こういうことは兄様に相談するとよいのでしょうか)


たしかにこういうことはアウリスに相談するのが良いと思う。だが問題はアウリスはどこにいるのか分からないということだ。


(一回くらいは相談してみましょう、それで解決するかも…です)


そう思い机から起き上がるとアウリスに似た人形に向かって


(お兄様…大好きです)


人形の唇にそっとマルクの唇を当てた。










「なになに、クラス別対抗戦が不安でしょうがない?」

「そうなんですよお兄様…」


どうすればいいんでしょうかと質問してくるマルク。


「だったら自分の持っている装備とかを変えてみるというのはどうだ?」

「買い物ですか?なるほど…そういう選択肢もありますね」


納得してくれたようで何よりだ。


「行くんだったら俺も付き合う」

「お兄様がいるのでしたら心強いです!」


そうして物を買いに街に行くことになったのだが…


準備が遅すぎる、マルクの準備が遅すぎる…


「ごめんなさいお兄様、遅れました…」

「お!ようやく来たか…」


そこにいたマルクはスカートを履いていた。マルクが女顔なのも相まって…なんというか…立派な女性にしか見えなくなっていた。


「その格好は…」

「あ!この格好ですか?この格好はエルルさんがアリウスが絶対に喜ぶからってことで…」


なんとエルル、女装をさせるメイドさんだった。

まあこの女装は似合っているから良いとしても、それにしても似合いすぎだろ…










「あのコ美人やなぁ」

「こんな子いたっけ」

「隣の男ぱっとしねぇな」

「可愛すぎる」


女装したマルクが歩くやいなや注目を集めてしまう。何だろう、俺が女装しているわけじゃねぇけど凄く恥ずかしい。あとぱっとしないっつったやつ誰だ殺すぞ。


「…やっぱこの格好はやりすぎましたね」

「似合ってるんだからいいんじゃない?」


似合っている、そう伝えるとマルクは明らかに顔を赤らめてしまった。



防具屋の前に到着した俺達。


「ここは一応防具なんだが」

「見ておきましょうか」


防具屋の中に入る。


「へいらっしゃい!いい防具揃ってますよ!」


様々な防具がある。キラキラに光っているのもあれば、装飾にこだわっているものもある。


「綺麗ですね」

「そうだな」


たしかにきれいな防具も揃っている。そうするとマルクはきれいな防具を持ってこっちに近づいてきた。


「これいいですね」

「美しいな」


すごい、防具をまじまじと見つめる姿はデートをしている女性そのものだ。デートしたことないけどな。


お!ちょっとこっちの方に行ってみるか。

こうして俺は指輪の売ってあるところに行った。



いい指輪を見つけたのでマルクを呼ぶ。


「お兄…様?」

「渡したいものがあってな、この指輪だ」

「…!指輪?!」


確かマルクの利き手は右手だったから左手でいいよな、指の細さもマジ女性っぽいよな、だから…


「左手の薬指で大丈夫だよな」

「…え?ちょっと待っt」

「大丈夫だ、意味ならよくわかっている、お兄ちゃんに任せとけ」


とマルクが少し固まっている、左手の薬指に指輪は婚約の証だったっけ、まあ男同士だし大丈夫だろ。見事なまでにスポッと指輪がハマった…はずだった。寸前でマルクが逃げ出してしまったのだ。


店員さんに生暖かい目で見られながら


「おっちゃん、これ一つ」


と頼んだ。


ちなみにこの指輪、魔力を捻出すれば一回だけ使うことができるのである。要は使い捨て、そんな事するくらいだったら魔法を覚えたほうが早い。


「…恥ずかしい…」

「じゃあこの指輪上げるね」

「ありがと…」


少し気まずさを覚えながら指輪をプレゼントした。


「ちなみにその指輪は魔力を入れれば魔法が一回だけ使えるんだよ」

「そう…なの?」

「ちなみに魔力は俺が入れたからあとは使うだけ」

「…大切にします」


そこまで大切にするものでもないような気がするんだが…。









路地裏には似合わない美少女がアウリスの方を見てぼそっと呟いた。


「アウリス様が女性とデートされておりますわ…」


アウリスは街の影にひっそりとアリシアがいたことに気づかなかったのである。

やべぇ、執筆が止まらねぇ

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