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第14話『自爆』

俺は学園内の病室で寝ていた。隣にはマルクがいた。


「大丈夫ですか!お兄様!」

「俺は大丈夫だ!この通り!」


と元気いっぱいに返事したのだがマルクは何故か黙ってしまう。


「…」


マルクが黙ってしまった。


「…うぐっ…」


涙が見えた、何と次の瞬間、マルクが抱きしめて来た。


「アウリス兄様!もうあんな無茶しないって約束してください!本当に心配したんですからね!」


と力強くも泣いているのは分かるし、それほどまでに心配していることが分かった。そんなに心配してくれるんだったら俺だってこれ以上は変にボケられない。


「ごめん、ごめんって」

「…うぐぅ…」


マルクが大泣きしてしまった(アウリスのせいで)のでなだめていたら先生がやって来て


「アウリスくん、君はもう少し安全というものを学んだ方がいい」


と説教された。








何とか授業に出席することのできた俺はクラスの視線がすごいことになっている。噂で聞くと、アルバートは何とか一命を取り留めたようだが、俺の名前を聞くと怯えてしまうほどトラウマを抱えてしまっているようだ。


「あいつがあのアルバート様を?」

「噂で聞いたが、自爆を装って勝利した狂乱者だってな」

「怖、関わらんとこ」


俺の評価…何でこうなった?


「なぁマルク、何でこんなことになっているんだ?」

「お兄様は無茶しすぎたんです」

「そうか…」


お兄様ったらと呟くマルク、まああながち間違ってはいない。


「…まあいいです、お兄様の良さは僕だけが知っていますから…」

「今なんか言った?」

「いえ、何も?」


ガララ…そう扉が開くととある人物が入って来た。それは何とアリシアなのであった。


「大丈夫なのですか〜!アウリス様〜!」


とクラス中に響き渡る声で俺を呼ぶ声が聞こえる。


「アリシア様、心配はいりません」

「何ですのもう〜、私たち、婚約者ですのに〜」


そう言い放つとクラス中で騒ぎになった。


「御冗談はよしてください、何せそれは元々の話じゃないですか」

「そんなこと言わないで欲しいわ〜」


と俺にすり寄ってくるアリシアを見てクラスはもっと騒然、もう取り返しのつかない騒ぎになっていたのだ。


「…その、本当にやめてもらいたいのですが…」

「あら、すみません、私はこれで」


と去っていった…。


「…あの…お兄様、アリシア様と婚約というのは…」

「アリシア様も冗談がすぎてしまったみたいだな」

「そうですか…ちょっと安心しました」


最後何を言ったのか聞き取れなかったが、クラスが騒然となっているのは分かった。

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