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第13話『決闘』

剣の交わる音が聞こえる訓練場では、マルクとアウリスが訓練をしていた。


「疲れたか?」

「…いえ、まだまだ」


そう言っているが体はボロボロ、戦うのはやめたほうがいい状態だ。


「鍛えたいのは俺の方なのにな」


全くと俺は呟く。

そうして戦っているところをメイドのエルルが見ていた。


(アウリス様、励んでいますね。挑戦状を叩きつけられた時はどうすれば良いか分からず混乱していましたが、アウリス様は出来る子です。)


そう思いながらエルルはコップに水を入れに行った。











「お兄様…緊張しなくても大丈夫ですからね…」

「大丈夫だ」


決闘当日になり、闘技場にやって来ていた。アルバートを()()()()()を使って倒しに来た。


そして俺は闘技場の舞台に立ち上がった。アルバートに対する黄色い歓声、俺に対するブーイング、酷い有様である。


「逃げなかったんだな、少し見直したぞ」


と何やら小言を言っているようだが、そんなのは関係ない。


「それでは、初め!」

「貴様の命運は尽きた!行け!無熱地獄(インフェルノ)!」


魔法を放った瞬間、闘技場の中央、舞台は炎に包まれた。煙がなくなった。

勝負はついた、舞台で立っていたのは、アルバートではなく、ボロボロになりながら立っていたアウリスだった。


「勝者!アウリス・クロドネス!」


勝者が決定した瞬間にブーイングがやって来た。


「ズルだ!」

「何をした!」

「魔法道具でも使ったんじゃないか!」


散々な言われよう、悲しい。泣いちまうよ俺は。


「皆様!よくご覧ください!この水晶を!」


そうして喋っていたのはアリシアだった。

そうして水晶を見ると、魔法を放つ前、アウリスはアルバートに全力ダッシュ、標準をアウリスではなくアルバートにした上、放たれる瞬間に自身は離れた。つまりはアルバートの自爆という結果だった。


「自爆?ダッサ」

「一瞬で決着を付けられるなんてダサいよなぁ」


いや不正だと信じて疑わなかったお前らもダサいぞ。


「…大丈夫ですか!?お兄様!」

「…俺は健康だ…」


マルクは俺の体を注視した後に否定するように叫んだ。


「どこが健康なんですか!こんなにも傷を負ってしまって…」

「俺は少し休憩したら治るが…アルバート様は…早く手当をしないと死んでしまう…」


俺の容態は特に心配なかったがモロに喰らったアルバートの方を…


「お兄様!お兄様ぁぁぁぁぁぁぁぁ!」


マルクが叫んだタイミングで意識を手放した。勝てたからよかったか…。

押し付けるためだったらこんな作戦まで思いついてしまう非道さん

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