第12話『初めての授業』
入学したあと、寮に入るのだが、普通の部屋である。成績主義というのか、俺の成績は普通だったのか、普通の部屋に入れられた。
「お兄様!来ました…よ?」
「…いらっしゃい」
俺の部屋を確認し終わったマルクは
「…ちょっと学校長に直談判してきます」
「やめてくれ、俺が恥ずかしい」
何ていう子よ、直談判されたら注目されるじゃないのよ。
「ですが…まぁお兄様がいいのであればいいですけど…」
おそらくこんな部屋にいることに納得できなかったんだろうな、俺はこの部屋で十分だけどな。
授業の始まる前のクラスは賑やかで前世を思い出させてくれるほど、賑やかであった。
俺とマルクが一緒に入るとクラス中の視線が俺たちに突き刺さる。
「お兄様!初めての授業、楽しみですね!」
「そうだな…」
クラスのみんなの視線がすげぇ…。
「あいつがマルク?」
「特別に入学を許されたって聞いたけど…」
「隣のやつパッとしないな」
俺のことパッとしないっつったやつ誰だ、出てこい。
「お兄様のことを好き勝手いって…許せないです…」
マルクがなんか怒ってるー!俺のことで怒ることなんかないと思うよー。
「マルク気にするな、俺は気にしてない」
「ですが…お兄様は優しすぎます…」
マルクは何か気にしているようだったがこんなことをしている場合では無かったので席に座る。自由席だったのでマルクは俺の隣に来た。
「よろしくお願いしますね、お兄様」
「よろしくな」
初めての授業は魔法の授業だった。
「私の名前はフローラモ、皆さんに魔法を教えます。よろしくお願いします」
フローラモさんの授業はわかりやすかった。もちろんマールスさんの教え方が悪い訳ではない、彼の教え方はその場に知らない人がいても大丈夫のような教え方だった。
「という訳なんですよね、今日はここで終わります。ありがとうございました」
こうして授業を終えると1人の生徒が話しかけてきた。
「アウリス…見つけたぞ…」
相手は何とアルバートなのであった。
「お前…調子に乗ってんじゃねぇーぞ」
「調子に乗っている…とはどのようなことでしょうか」
アルバート、ガチ子供っぽい、俺と同い年なんだから少し落ち着けよ。
というか調子に乗ってるって便利な言葉だよな。
「とぼけるな…アリシアとの縁談を断ったじゃないか」
お前は何がしたいんだ、アリシアと関わっていると文句を言って、関わらなかったら文句を言って、どうしようもないじゃないか。
それにチャンスだとは思わないのかよ。
「そんなお前に決闘を仕掛ける!舞台は一週間後、学校内の闘技場でだ!」
だっる、何してくれとんねん。てめぇと決闘しとる暇ないねん。
「逃げるなよ!」
「…」
しかも念押しされたし、逃げたところでだな。
「…マルク、今のを聞いたな」
「え…あはい!」
今の話を聞いていたマルクの話しかける。
「今日は少し付き合ってくれ」
マルクにそう伝えその場を去ることにした。