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第94話『終結』

謎の空間内でただ一人、動きを見せずに倒れている人影が見える。そう、本来のアウリスだ。本来のアウリスは、転生者のアウリスから受けた思いもよらぬ一撃によって情報処理に失敗し、敗北してしまっていたのだ。


「…はは、ははは…まさかお前に負けるなんてな。こうもあっさり…これが物語だったら恰好つかないな」

「それは同感だ」


そう、これはあまりにもあっさりとしすぎた結果であり、ストーリーとしては盛り上がりに欠ける終わり方なのであった。もしこれが脚本家によって描かれているのなら、ストーリーの構成力を疑ってしまうレベルだろうと、転生者のアウリスはそう察した。


「…もう一人のアウリスよ、貴様は何が目的だ」

「俺は………」


俺は突然の質問に思わず黙ることしかできなかった。

そう、ここから脱出し、マルクたちのもとに向かったとしても、ここで何か目的を持たなければ、惰性的な生活を送る日々に逆戻りしてしまうだろう。本来のアウリスからの質問の意図は読めないものの、それでもこれからのアウリスとしてどう送っていくべきか、それを彼から問い詰められた感じがしたのだ。

これまでの日々を思い返してみると、マルクと乗り越えた困難、ラインハルトと過ごした日常、いろいろなことを思い浮かべるが…


「俺はやはり…」


決意を述べようとしたとき、一筋の光が見えた。

その光には…()()()()()()()が刺さっていたのだ。


――――――――――


マルクが不意に刺した一撃が通ると、アウリスの体を乗っ取っていたレイは意識をなくした。いや、手放したという表現が正しいだろうか。アウリスの体はぐったりと倒れこみ、そうなった瞬間にマルクたちはアウリスのもとに駆け寄った。


「お兄様!」

「アウリス!」

「大丈夫かッ!!!」


マルクがアウリスの腹部に剣を突き刺したことによって、レイの乗っ取りから解放されたようだ。

そう確信したマルクとラインハルト、更にレイヴン騎士団長は自分たちにできることを行うが、それでもマルクは自信が腹部に刺した愛用の剣を抜くことはできなかった。今離してしまったら自身の知るアウリスがアウリスではなくなってしまうと感じ取ったためだ。


「お兄様…!」


マルクがそう言いながら剣を腹部から抜くと、マルクの知ってるアウリスのぬくもりを自然に感じ取ることができた。その瞬間、アウリスは目を覚ましたのだ。


――――――――――


あの剣に触れると、俺は見覚えのある景色にたどり着いた。

剣に触れながら辿った道はいろんな出来事を思い浮かべたが、それでもその道を歩いている間は苦痛を感じることはなった。こうして目を覚ましてみると、腹部に強烈な痛みを感じる…


「お兄様ぁ!」


マルクがそういうと俺にギュッと抱き着く。マルクの吐息が俺の首筋に振りかかる感覚に戸惑いながらも見渡してみる。するとラインハルトと知らないおっさんもいた。あのおっさん、鎧つけてる唐木氏とかに属している人なんだろうな、そう思いながらみんなとその場を後にし、俺は治療を受けたのだった。

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