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登場人物(ネタバレあり)

ネタバレありな登場人物紹介です。


※年齢は物語終了時



【リシャナ・フルーネフェルト】

 29歳。リル・フィオレ王国第25代国王ヴィルベルト2世の5番目の王女で事実上の末っ子。第27代女王として、兄から王位を引き継いだ。歴史上はじめて全権力を掌握し、本当の意味でリル・フィオレに君臨した女王。

 夫はルーベンス公爵エリアン・ファン・リンデン。3歳年下。最終的に1男2女に恵まれる。

 尊大な態度の割には優しく、おとなしいと思われている。自分では結構短気だと思っているが、あまり周囲の同意は得られない。天然人たらし。

 父方の祖母に似た怜悧な面差しで、黒髪に澄み切ったアイスグリーンの瞳をしている。たいてい半分眼が閉じているので、不機嫌そうに見えたり、物憂げに見えたりする。1/fゆらぎ、絶対音感の持ち主。

 女王になる前はキルストラ公爵としてアールスデルスを治めていた。居城はリーフェ城。戦で名をはせた女王だが、即位後はほとんど戦を行っていない。政務を行えないわけではないし、ちゃんと理解もしているが、ほぼ夫のエリアンに丸投げしている。

 年下の夫の良いところは、自分より先に死なないであろうこと、と言ったことがあるが、結局リシャナの方が長生きした。


【エリアン・ファン・リンデン】

 26歳。リル・フィオレ王国第27代女王リシャナの王配。ルーベンス公爵位を持ったままリシャナに婿入りした。女王の配偶者であるが、リシャナが夫に王権を与えなかったため、戴冠することはなかった。

 10歳の時にリシャナの姿に衝撃を受け、側に侍るために勉学に力が入るようになった。リシャナと結婚してから彼女が即位するまでは司法長官、その後は宰相を務めている。やや皮肉屋できざな面があるが、妻と子供には弱く、たじたじになっている。

 ダークブロンドの髪に青灰色の瞳の端正な顔をした青年。リシャナを口説き落としたことが彼の最大の戦果。


【アリアネ・フルーネフェルト】

 1歳5か月。リシャナとエリアンの娘。母親にはよくなついているが、父親にはほとんど会ったことがなく、顔を覚えていない。生まれた娘にほとんど会えていないので、エリアン半泣き。


【ヘルブラント・フルーネフェルト】

 享年38歳。リル・フィオレ王国第26代国王。10代のうちに自分に生殖能力がないことに気づき、いざと言うときのために妹のリシャナを鍛えていた。彼女には何も言わなかったが、彼女の夫のエリアンには自分の策略の一部を語っていた。

 アーレントは王妃アイリの子ではあるが、ヘルブラントの子ではなく、そのことに気づいていながら外交問題になると黙っていた。結果、問題をリシャナに押し付けることになってしまったことは悔やんでいる。

 弟妹達のことはそれなりに可愛がっており、何かとヒステリックな母には辟易していたが、目の届かないところで何かやられるよりも、近くで監視した方がましだと思っていた。

 ダークブラウンの髪に濃い碧眼の美麗な青年。飄々とした態度で腹の底が読めない、と弟妹と腹の探り合いをしたこともある。心疾患で亡くなった。


【リューク・フルーネフェルト】

 享年29歳。バイエルスベルヘン公爵。妻はエルヴェス公爵家のニコール。3人の娘がいた。3女が生まれる前に戦死してしまった。治めたのは港湾都市クラウシンハ。居城はフローレク城。政治や軍略には才能がなかったが、研究者としては優秀で、兵器の改良なども行っていた。

 リシャナが最も長く共に過ごした兄で、よく慕っていた。リュークも妹のことをよくわかっており、その結果、戦死したともいえる。

 栗毛にブルーの瞳の細身で理知的な青年。運動はからっきしで、妹にぶん投げられたことがひそかにトラウマになっている。


【アイリ・イングリッド・フォーセル】

 34歳。ディナヴィア諸国連合の構成国の一つレギン王国より嫁いできたヘルブラントの王妃。父であるレギン国王からリル・フィオレを掌握するように命じられて嫁いできた。

 しっかり者で気立ての良い美女であるが、夫との間に子供ができず、不義の子が生まれるに至った。ヘルブラントがそれに気づいているかいないか、最後までわからなかったが、リシャナが告発状を持っていたことで、知ったうえで妻と子として接していたのだと知って泣き崩れた。


【アーレント・フルーネフェルト】

 12歳。ヘルブラントとアイリの子、と言うことになっている少年。実際はアイリの子ではあるが、父親は不明である。そのため、王太子ではなかった。

 アイリやヘルブラントの態度から自分がヘルブラントの子ではないことを察しており、叔母であるリシャナが次の玉座につけばいいと思っていた。

 ヘルブラントやリシャナのことは尊敬しており、慕っていたのは事実。だから、彼らを裏切ってまでリル・フィオレを統治することはできない、と思った。


【ニコール・デ・ラート】

 29歳。リュークの妻で、バイエルスベルヘン公爵夫人。3児の母でリシャナと同い年。ついでに初恋もリシャナ。同い年で仲が良く、夫の死後はリシャナの元に身を寄せていた。先輩の母親として、様々な助言をしたり、リシャナが不在の間に城内の采配を任されたりしていた。

 さっくりした性格で気が利く。バイエルスベルヘン公爵領はニコールの尽力で統治できていた。


【ヒルダ、モニク、カリン】

 8歳、5歳、1歳8か月。リュークとニコールの娘たち。リュークの死後はリシャナに引き取られて養育されている。


【カタリーナ・ダールグレン】

 61歳。ヴィルベルト2世の王妃にして、ヘルブラントやリシャナの母親。作中では王太后。自分より若い女性にきつく当たるタイプで、特に自分に厳しかった姑に似ているリシャナに厳しく当たった。息子たちには優しかったが、うざがられている。

 リシャナ憎しでアーレント支持に回ったが、アーレントの出自を知ってアイリを責めた。

 その後、離宮に再度幽閉された。


【フェール・ファン・エルヴェン】

 27歳。リシャナの侍女で、2児の母。クラーセン伯爵家の出身だが、父親と対立して家を飛び出してリシャナに拾われた。魔術師であり、リシャナが使っている魔法道具は彼女謹製。まじめで朗らか。

 リシャナが即位したことで、宮殿に上がることになった。


【エステル・フランセン】

 34歳。リシャナの主治医。古いタイプの魔女で、薬学に精通する。魔女として疎まれていたのを、リシャナに見出されたが、医師の資格を取ってこい、と言われたときはこの小娘、と思っていた。ロビンの母親。夫とは死別している。

 妖艶な印象だが、顔立ちの雰囲気がリシャナと似ているので、影武者をしたこともある。

 リシャナが即位したことで、宮殿に上がって宮廷医になった。


【ロビン・フランセン】

 14歳。エステルの息子。最初はリーフェ城でリシャナの飼い猫の世話をしていたが、のちに母親を説得して軍人になった。憧れであるリシャナを守りたいと志願した。リシャナの即位後、母親について宮殿に入った。


【ローシェ】

 30歳。リシャナの侍女で、結婚、出産の後役目を退いていたが、フェールが産休に入ったことで復帰した。子供が二人いる。リシャナが北壁に入った時、最初に助けた女性。ヤンの妹。夫がリシャナの護衛として同行したため、王都へ向かうことに。北壁に残ることになった兄にめちゃくちゃうらやまし気に見られた。


【ヤン・クラウス】

 34歳。北方守備軍でのリシャナの副司令官。リシャナが女王になった後は、ヘリツェン伯爵位を授かり、司令官となった。

 リシャナが北壁に赴任してきた時、当時の上官から助けてもらって以降、リシャナを崇拝している節がある。自分の主はこの人しかいない、と思って訴えたが、信用しているからこそ国境を任せると言われて、王都についていけず、その場に崩れ落ちた。ちなみに愛人になりたい、は割と本気だった。


【アントン】

 42歳。リシャナが赴任してくるまで日の目を見なかった天気予報のできる魔術師。ヤンの事実上の副官で、指揮系統の3番目。女王になったリシャナに置いて行かれてうなだれるヤンに、「報告義務があるので王都で会える」と言って慰めたのは彼。


【マース】

 20歳。物語開始時は新人だったが、中堅どころに。絵描きになるのが夢だったが、経済状況が許さず、軍人に。リシャナの側で戦ううちにこの人に本気で仕えたい、と思ったが、王都についていくことはできず、上官のヤンとともにうなだれた。


【ヴェイナンツ伯爵】

 31歳。クラウシンハのやや北寄りの場所に領地をもつ貴族。初陣がリシャナと同じ、ルナ・エリウ開城戦で、彼女を慕っている。リシャナの代わりの采配を任される程度の信用と指揮能力がある。


【オーヴェレーム公爵】

 50歳。ヘルブラント治世時の宰相。エリアンとともにレギン王国の王族たちとやりあった。王位継承戦争をヘルブラント共に戦い、側でリシャナの能力を見ていたことがあるため、彼女への評価は高い。リシャナが女王に即位した後は、夫であるエリアンが宰相となったため、国務卿となった。


【ダーヴィド・フォーセル】

 29歳。レギン国王の息子で、アイリの異母弟。リル・フィオレを掌握すべく派遣されてきたが、リシャナに勝てずに祖国に強制送還された。リシャナと結婚してリル・フィオレの王族の地位を手に入れ、アーレントを擁立して護国卿になるのがベストだったが、リシャナの気性を考えると不可能で、そこに折り合いをつけられずに政争に負けることになった。パーシヴィルタ侯爵。


【ヴェイニ・フォーセル】

 16歳。レギン王国の王太子の息子。アーレントと年が近いことから、彼を取り込むことを目的として送り込まれてきた。もし、リシャナを排除して権力を得たとしても、今度はダーヴィドと権力争いをすることになっており、その不安定さをちょいちょいエリアンに突かれていた。ダーヴィドとともに祖国に強制送還された。


【ヴィルベルト二世】

 享年43歳。ヘルブラントやリシャナの父。彼が暗殺されたことからすべてが始まった。王妃カタリーナとの間に11人の子をもうけているが、最終的には一番上のアルベルティナと末のリシャナの二人が残るのみ。思慮深く、公平な人物で、人の意見をよく聞くが優柔不断ではなく、調整のうまい王だった。ヘルブラントは、リシャナの性格はどちらかと言うとこの父に似ている、と分析している。


【フェリシア・フルーネフェルト】

 60歳くらいで亡くなったヘルブラントやリシャナの父方の祖母。王家の血を引く公爵家の令嬢で、当時の意志薄弱だった王を支えるために選び抜かれた、聡明で生真面目な女性。国外から嫁いできたカタリーナを心配し、あれこれと教えたり世話を焼いたりしていたが、それがきつく当たられているように感じ、カタリーナは反抗的だった。鮮烈なまでの美女で、リシャナの外見はこの祖母によく似ている。


【アルベルティナ】

 40歳(リシャナの戴冠式当時)。隣国のヴァイセンブルクに嫁いだ。今は王妃であるが、末の妹の戴冠式に出席する。嫁ぐとき、幼かった末の妹を気にかけていた。リシャナが婚約した時に、大量の布地を贈ってきた人。ほかにもあれこれと支援している。

 嫌味を受け流しながら嫌味を返せるタイプの人間で、ヘルブラントと性格が近い。もし、アルベルティナが国内に残っていれば、リシャナではなく、アルベルティナが女王になった可能性もある。


【クリスティン】

 16歳(リシャナの戴冠式当時)。アルベルティナの娘で、社会見学のために隣国の戴冠式を見に来た。女だてらに敵を蹴散らし女王になったリシャナに興味津々。かっこいいと思っている。



ここまでお読みいただき、ありがとうございました。

本編内では説明できなかった設定もちょろっと公開してみました。


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― 新着の感想 ―
[良い点] 遅ればせながら最後まで読ませて頂きました! 無事の戴冠、そして完結、おめでとうごさいます! 冷静な中でも、エリアンにだけ不安をのぞかせる女王の姿がよかった。わかった上でそのように動く、と…
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