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使用人の私を虐めていた子爵家の人々は、私が公爵家の隠し子だと知って怖がっているようです。  作者: 木山楽斗
外伝

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第15話 誰の入れ知恵かは

 夜、私は部屋でゴロゴロしていました。

 現在、お兄様とお姉様はハッピーエンドを迎えているはずです。いやあ、我ながらいいことをしましたね。


「シャルリナ!」

「うわあっ!」


 そんな私の耳に聞こえてきたのは、お兄様の怒号でした。

 よくわかりませんが、とりあえずベッドの下に隠れます。恐らく、ろくでもないことが起ころうとしているはずだからです。


「開けろ! 開けなければ、このドアを蹴り破るぞ!」

「……」

「答えないというなら、もう容赦はせん」


 次の瞬間、すごい音が聞こえてきました。

 お兄様が、ドアが蹴破ったのです。

 なんて野蛮な人でしょう。こんなことして妹の部屋に入ってくる兄なんて、他にいませんよ。


「どこだ……」

「……」

「そこか……」

「げっ……」


 お兄様は、すぐに私を見つけました。

 流石に、ベッドの下は安直過ぎたようですね。

 当然のことながら、逃げ場はありません。出て行くしかないでしょう。

 こんなことなら、窓から逃げるべきでしたね。まあ、結局家に帰ってくるしかないので、結果は同じだったかもしれませんが。


「お、お兄様、何かようですか? いきなりドアを蹴破って、驚きましたよぉ」

「俺の呼びかけに答えなかったということは、何が原因かはわかっているだろう?」

「いやあ、寝ていたんですよ」

「ベッドの下でか?」

「うぐぅ……」


 色々と言い訳をしようと思いましたが、状況的に無理そうです。

 仕方ないので、認めましょうか。当然、お姉様のことを言っているんですよね? 別のことだったら厄介なので、すごく嫌なんですけど。


「お姉様のことですか?」

「ああ、お前がけしかけたのだろう?」

「ええ、まあ、助言はしましたね。何か、問題でも?」

「問題しかない」


 お兄様は、とても怒っていました。

 ですが、今回に関しては私も明確に反論できます。


「いいですか、お兄様。まあ、言いくるめた部分はありましたけど、お姉様は私の提案を受け入れました。その意味をよく考えてください」

「何?」

「お姉様は、お兄様に手を出してもらいと思っていたんです。その思いを、お兄様は裏切っていたんですよ。それを自覚してください」

「む……それは……」


 私は、お兄様にはっきりと言ってやりました。

 ごり押しで言いくるめたりしましたが、お姉様は結局、私の言ったことを実行しました。つまり、お姉様は明確に手を出してもらいたいと思っていたということです。

 色々と理由をつけて、避けていましたが、お姉様は悲しんでいたのです。お兄様には、そのことをきちんと自覚してもらわなければいけません。


「エルード様!」

「アルシア?」

「あ、お姉様……」


 そこで、お姉様もやって来ました。

 恐らく、出て行ったお兄様を追いかけてきたのでしょう。

 どうやら、話はどうにかまとまってくれそうですね。

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