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使用人の私を虐めていた子爵家の人々は、私が公爵家の隠し子だと知って怖がっているようです。  作者: 木山楽斗
外伝

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第1話 聖女の激務

 才色兼備、文武両道、強く気高く美しい。

 この私、シャルリナ・ラーファンは正に完璧な人間といえるでしょう。

 完璧な私は、聖女という地位に就いています。王国でも権力を持っているとても偉い役職です。

 諸事情もあって、私はこの仕事をしています。ただ、最近、少し嫌になってきました。


 というのも、聖女という仕事はとても面倒なものなのです。

 聖女の一日は、大体決まっています。日によって変わる部分もありますが、朝起きてからやることは、毎日ほとんど同じです。



5:00 起床、体を清める。


6:00 朝食


7:00 祈りを捧げる。


8:00 ここから色々と仕事がある。



 聖女の朝は、大まかにまとめるとこんな感じです。


 まず厳しいのは、五時に起きなければならないことです。

 これ、朝早すぎませんかね? 私、基本的に起きるのは十時くらいがいいタイプなので、五時なんて耐えられませんよ。


 しかも、朝起きてからすぐに面倒なことがあります。体を清めるとかいう、意味のない作業があるのです。

 よくわかりませんが、冷たい水を浴びることで、体を清めることができるそうです。こんなことに意味があるとは思えません。そんなことしなくても、私は綺麗な体ですよ。

 そう思っているので、最近はそんなことはしていません。だから、ここは休憩時間になっていますね。この後、大変な一日ですし。


 朝食の時間は、百歩譲って問題ないんですけど、ここの問題はその内容ですね。

 聖女というものは、よくわかりませんが、質素な食事を強要されます。そういう精神が、高貴で清らかであるという何の役にも立たない馬鹿みたいな考えによって、私は毎日、平民よりも質素な食事をしています。

 こんなことに、何の意味があるというのでしょうか? 高い権力を持った地位なのですから、もっといいものを食べさせてくださいよ。


 一番意味がわからないのは、祈りを捧げる謎の時間ですね。

 目を瞑って、手を合わせて、一時間王国の平和と繁栄を願って祈るのですが、これは無駄な時間だと思っています。

 仮に祈りが必要だとしても、一時間も祈る必要あります? 長いじゃないですか、一時間は。

 もっとも、私は祈りなんてそこまで意味がないと思っています。こんなことで王国が平和になって繁栄するなら人は苦労しませんよ。

 そもそも、私の祈りにそれがかかっているっておかしくないですか? 荷が重すぎますよ。


 そう思っているので、私は最近祈っていません。

 朝早く起きて、目を瞑っていると眠たくなりますよね? その欲望に従って、この時間は眠ることにしています。

 座ったまま眠るのに慣れるのは、少し時間がかかりました。でも、最近は上手く眠れるようになりました。深い眠りには入れませんが、半分くらいは眠れます。


 大変な一日なので、休息できる時に休息するべきですよね? だから、私は自分の行為は正当なものだと思っています。

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― 新着の感想 ―
[一言]  いやいやいや!  君が聖女なんかい!  なろう界隈では突飛な展開数有れどこれはびっくりだわ!  あのぐーたら娘がなんでこんな事になっちゃったの!?
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