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第五矢 思えば剣よりも槍のほうがツヨツヨです


最強武器を手にしたかと思いケースの中を開けてみれば異世界では何の役にも立たないゴミソードであった。

流石に神様であられるサイファー様の前でゴミソードと呼ぶのは気が引けたので口にはしていない。


それに武器が収納されているであろうケースは残り2つも残っている!まだ焦る時ではない!


残り2つのケースは3mほどの細長いケースと、ゴミソードのケースと同じ大きさのケースだ。理由は特にないが細長いケースから開けてみることにしよう。


『優利。そのケースを開ける前に事前説明を受けることをお勧めします』


「いや!大丈夫ですよサイファー様!俺は説明書読まないタイプなんで!」


『・・・了解しました優利』


俺は細長いケースを開けようとする。しかし、このケース開けようとしてみて気づいたのだが、かなり厳重にロックされておりネジ式の留め具をたくさん外さなければならなかった。


フシュー


たくさんのネジ式の留め具を緩めていくとケースの中から冷たい空気が白い煙となって放出され始めた。んー何だろう?冷凍マグロでもはいってるのかな?まぁそんなわけないか!


悲しいことに留め具を緩めれば緩めるほど冷たい空気が漏れ出ると同時にちょっと生臭い匂いもしてきた。

いや!マジでこれ冷凍マグロとかの類じゃね?しかし、中を見るまではケースの中が最強武器なのか冷凍マグロ(?)なのかは分からない。


最後の留め具を外し、恐る恐るケースの中身を確認する。ケースの中は白い煙で充満しておりキンキンに冷えていた。幸いにもうっすらと見えるシルエットから冷凍マグロではないことは断定できた。そして、その数秒後に武器の全容が明かされた!


「うわー きも・・・」


結論から言うとケースの中身は槍だったのだが、如何(いかん)せんキモかった。槍のブレード部分は片刃で刃渡り30cmはあり刀身は黒く輝いており美しかった。

だが、ブレード以外の持ち手となる部分は槍にしては全体的に太さがありダンゴムシの殻のような金属の装甲で覆われていた。それが最高にダサく気持ち悪かった。あとなんか臭い・・・。


「あのーサイファー様?この槍ってどのような機能があるんですか?そして、何でちょっと臭いんですか?」


『それは槍ではありませんよ優利。それは体近接戦闘義手【ブレードモデル】です。何故臭いのかは分かりませんが生体パーツを多数使用しているので、それが原因と思われます』


「へー これって義手なんだー、、、ってそんなわけあるかーい!!まず手の部分が完全に刃物なんだが!?このホラ吹き野郎が!!」


はっ!!まずい!少し怪しくなってきたがサイファー様は仮にも神様だ。最強無双に至るためには、このポンコツに()(へつら)う必要がある。


「からの〜。ウッソー!!これは、どこからどう見ても義手でしたー!!てのない義手もそりゃありますよね〜」


『・・・』


おっと!?サイファー様もしかしておこ?おこなの?怒っちゃやーやーなの!!


「怒りをお納めくださいサイファー様!そして、愚鈍(ぐどん)な私めにこの武器の使い方をご教授のほどよろしくお願いします!」


『いいえ。怒っていません。ただ呆れていただけです』


サイファー様は大人だなぁ・・・


『対近接戦闘義手【ブレードモデル】は生体ユニットと機械ユニットのハイブリット機能を有する義手です。義手の末端(まったん)の方を見ていただければ分かると思いますが人体と義手を繋ぐコネクターが確認できるはずです』


ほーん。何かエヴァ○ゲリオンみたいだな。とりあえずサイファー様の言っているコネクター部分でも見てみるか・・・。そうして俺はキンキンに冷えた戦闘義手を汚いものを掴むように手に取る。それから末端部分を確認s、、、!?


「きもーーーーーー!!!」


義手の末端を見た瞬間に俺は思わずそれを放り投げてしまう。それとともに義手の末端(コネクター部分?)から赤い液体が飛び散る。


「サ、サ、サイファー様? あ、あ、あれは何ですの?」


『筋肉アメーバのことでしょうか優利?』


おいおい!さらっとパワーワード言ってんじゃないぞ!何だよ筋肉アメーバって!!まず筋肉アメーバとやらはキモすぎだろ!心の準備もせずに見るもんじゃねぇぞ!!血のように赤い液状の(うごめ)く物体はキモすぎるって!!


「サイファー様、確か最初はコネクターって言ってましたよね?」


『はい。私はコネクターと言いました。筋肉アメーバはそのコネクターの役割を担う生体ユニットです』


「はぁ?うっせーわ!!普通コネクターって言われたらオートメ○ルみたいなマシン的なイメージがするじゃん!!一瞬あれ切り落とされた腕の断面図かと思ったぞ!!」


『もう謎の敬語は使わなくていいのですか優利?』


「うっせ!!」


今の一件でもうサイファーが神でも悪魔でもどうでも良くなった。敬語も疲れるし、サイファーはポンコツだし、グロい物見せつけられるし、もううんざりだ。


でも、そういえば俺ってグロテスクな物には昔から耐性があったような・・・。いつの間に苦手になってたんだろう?




放り投げられて力なく横たわる戦闘義手が心なしかぴくりと動いた気がした。

仕事の都合で今後は少し更新頻度が下がるかもしれませんが基本的には毎日投稿できるように頑張ります^_^


追記

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