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第四矢 無双するなら剣一択でしょ!でしょ?


サイファーの案内に導かれて森の中を進んでいくと少し開けた場所へと抜け出した。


『到着しましたよ優利』


「ここに水や食べ物があるのか?」


『はい。ここには水と食糧に加えて優利を支援する物資が転送されています』


「マジか!それは助かる!で!どこにあるの?」


『木の上です』


え!?

驚きながら頭上に目をやると木の枝の隙間にいくつもの大きなグレーの箱が挟まっていた。


「ちょっと高くね?」


『食料系の物資は他の生物に奪われないように木の上に転送しました』


「ワー、キガキクーネー」


『どういたしまして優利』


「てか、あの物資はサイファーが転送させたの?」


『それは少し難しい質問ですね。私が転送したと言えばそうなのですが実際は違うともいえます』


「はぁ?何だよその責任から逃れるサラリーマンみたいな言い草はよぉ?意味わかんねぇよ!」


『申し訳ありません。転移関係については一部説明することが難しいのです』


その後、サイファーは物資を転送したのが誰なのか教えてくれなかった。仮にサイファーがこれらの物資を転送していたとしたら俺もサイファーによってこの世界に転送されたのだろうか?


もし、そうだとしたら俺にとっては実にまずい状況である。何故ならば、俺が最強無双するためには俺を転移させた存在が間違って俺を死なせてしまった神様か魔王軍の侵攻に苦しんでいる王様じゃなきゃいけないからだ!俺調べによると異世界もので最強無双する存在は十中八九そういう経歴を持つ人たちなのよ!


『どうしました優利?考え事ですか?考える脳ミソもないはずですが?』


「うるせぇ!俺の今後の人生がかかってるんだよ!」


『・・・そうですか』


いや待てよ!サイファーが神様なんじゃないか?きっとサイファーは地球で俺を間違って殺してしまった神様なんだ!お詫びとして異世界で気持ちい想いをしてもらうために、わざわざ異世界まで付き添っている神様に違いない!まず頭に直接語りかけてくる時点で神様以外の何者でもないじゃん!


「あのーサイファー様」


『急にどうしたんですか?気持ち悪いですね』


「これまでの非礼は謝ります。サイファー様は神様なんでしょ?」


『へ!?何故そのような答えに至ったのですか?』


「いやー隠さなくてもいいんですよーサイファー様♡」


『な、何をですか!?』


お!あのサイファーがこんなに動揺しているのは初めてだ!俺はサイファーの秘密に近づいているぞ!このまま最強スキルとか最強武器をもらう流れに持ち込んでやる!


「サイファー様♡ 何か最強のウェッポンというかスゥキルというか、、、あるんでしょ?」


『 ? まぁ武器ならありますけど・・・』


きた!やはり最強装備を神様であるサイファー様が御準備されていたんだ!こんな卑しい一日本人である私めにサイファー様の不手際で死なせてしまったとはいえ、わざわざ武器まで用意してくださるなんて感謝以外の何者でもない!


「サ、サイファー様。ちなみに最強武器はどちらに、、、?」


『優利はお腹が減っていたのではないのですか?武器なら獣に盗まれることもないので、そこら辺に落ちt』


俺はサイファー様の最後の言葉を聞くよりも速く怪しく黒光りしている3つの大きなケースを発見し走り出していた。


「最強武器が3つも!!」


『優利それはさいky』


サイファー様が何か言っているが、そんなの関係ねぇ!もう頭の中では俺が主人公のタイトルも完成している!!


【脳内でうるさい幻聴は実は神様だった!?異世界で三種の神器を使ってさくっと世界救っちゃいました!】だ!!!


「まずはこのケースからだ!」


3つのケースの中で一際デカく異彩を放つケース。俺にぴったりのカッコいい武器に違いない!俺はクリスマスプレゼントを貰った子どもの如く狂喜乱舞しながらケースを開ける。


「ひゅー こいつは凄えぜ!」


口笛は出来なかったので自らヒューと言いお約束のセリフを呟く。中には優利の背丈ほどもある巨大な剣が納められていた。剣はどちら方いうと刀のようなデザインであり刀身から持ち手まで全て灰色に近い黒色だった。

面白いことに特に気になったのは意外にも剣よりも鞘の方だった。(さや)は剣と同色であったが見た目は全体的にメカニカルになっており、何のためにあるのか分からない溝でいっぱいだった。だがそれすらもカッコいい!!


「あっ これ絶対強いやつだ!」


今日からこの剣で俺の無双伝説が始まるのか、、、。脳裏には可愛い女の子を助けて機械剣で魔物をバッタバッタと斬り伏せる自分が浮かぶ。


「最強伝説の始まりだー!」


そう言いながら剣の持ち手を掴み、剣を天高く掲げる!かかげる、、、かかげ、、、あれ? この剣めっちゃ重い。両手で持って前で構えるのがやっとだ。


『その機械剣は剣だけでも20kg機械鞘を含めれば総重量50kgですよ優利』


ふぇ!?20kg?50kg?


『その剣は生身の人間では振ることもできません。(むし)ろ貧弱そうに見える優利がかろうじて持ててるだけでも驚きなくらいです』


「大丈夫!大丈夫!使いこなせるから!それが異世界無双のお約束だから!」


『不可能です。例え剣が振れるようになっても機械剣は常に大量の電力を必要とします』


へ!?電力?


「電池で動くの?」


『電池では動きません。一回の戦闘を想定するならば機械鞘に100kwの充電器を使って充電を20分はする必要があります』


充電?コンセントでいいのかな?


「この世界で充電器なんてあるの?」


『ありません』


おいおい!ちょっと話が違うよサイファー様!この剣じゃ戦えないじゃない!まず充電って何だよ!スマホじゃないんだから!


「サイファー様・・・何故こんな武器を転送したんですか」


『・・・私は知りません・・・』




ー 武器ケース残り2つ ー


次回もたぶん異世界武器ガチャ回です。

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