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第8話 協力

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 次の日、教室に入ると、既に矢峰が静かに座っていた。

 あまり人はいない。さっさと話を済ませよう。


「おはよう矢峰、ちょっといいか?」


『あ、波読くん。おはよう、どうしたの?』


 いつも通り、口を閉ざしたままにテレパシーで答える。

 テレパシー特有の頭に響くモスキート音が、まだ少し慣れない。


「内容が内容だから、ここでは言えないんだけど、どこか移動しようか」


 ◇


 ということで、体育館裏に来た。

 テレパシーは話している本人以外には話していることが漏ることがないのだが、念のため一目につかない場所を選ぶ。

 ……さっきから矢峰がモジモジしているが、本人が期待していることではないので、少し罪悪感があるな。てか、こういう時にこそテレパシーで読み取って欲しいのだが。


『それで……話って……』


「あぁ、何かごめん。矢峰が期待していることじゃない。生徒会の話なんだが……」


『え! まさか予算通らなかったんですか!?』


「あ、それは通ったよ。……会長は反対だったみたいだけど」


 本音を言えば、俺も意味がわからなかったのだが、それは内緒ということにしておこう。


「で、まぁ単刀直入に言うと、能力を貸して欲しい。俺達が担当することになったことで、いろいろあってな。他にもテレパシー持ちの生徒がいるが、確実に関係者じゃない矢峰に頼みたいんだ」


『もちろんです、波読くんの頼みならぜひ』


「ありがとう。とりあえず先輩に報告してからになるけど、頼りにしてるから」


『全然気にしなくて良いよ。むしろ気にしないといけないのはーー』


 と、矢峰が俺の後ろを指差す。


「麻羅、何やってんの?」


「波読と矢峰さんが……そんなことに! みんなに広めなくちゃ!」


 しまった、テレパシーを使うと、話の内容は話している当人達以外には聞こえない。

 本題は聞かれなくて良かったが、別の意味でマズいことになった!


「待て麻羅! そうじゃない!」


「じゃあ何話してたの!?」


「それは言えないけど、とにかくそうじゃないんだよぉ!」


 結果、教室に戻る頃には、俺と矢峰がそういうこととして扱われていた。

 矢峰には申し訳ない。


「よぉリア充! 生徒会パワーで早速落としたのか?」


「リア充じゃねえ。あと生徒会パワーってなんだ」


 麻羅のおかげで、俺と矢峰はクラスのいろいろなヤツに絡まれるように。

 一気に、速攻でリア充になった男として、クラスの人気者(イジられ役)に昇華してしまった。


「矢峰、何かごめん」


『こっちこそ、もっと早く教えていれば……』


 そんな五月蠅いクラスをいつものように廊下から覗いているのは、鳳凰先輩だった。


「やぁ波読くん。例の説明は終わったかい?」


「先輩はもう知ってるんでしょう? 何となく嫌味に聞こえますよ」


 と、鳳凰先輩は大笑いをしながら、


「はは、大変なことになったね。そんなことは置いといて、説明終わったなら行後から始めるから、頼むよ」


 大変なことって簡単に言わないで欲しい。

 それはそれと、こんなに目立ち過ぎて大丈夫なのだろうか?


「それはわかっていますよ。でも目立ち過ぎましたけど、大丈夫ですか?」


「会長はお怒りだけど、まぁ大丈夫さ。なんとかなる」


 会長はお怒りだそうだが、先輩がそう言うなら大丈夫だろう。


 ◇


「それじゃあ矢峰、さっそく始めてくれ」


『わかった。えっと最初はあそこの人だよね』


 と言いつつ、矢峰は赤いユニフォームを着た高身長の青年を指差す。


「そう、たぶんそいつだ」


 矢峰は確認を取った後、静かに目を瞑る。

 何をしているのかと言うと、先輩にもらった名簿にマーカーで引かれた人物の思念を、矢峰の能力で読み取って関係者をあぶり出す。

 ちなみにマーカーで引かれている人物は、二クラス分いるので、明日も明後日も続く予定だ。

次回もよろしく!

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