第7話「天丼一丁二丁三丁目」
チュン。チュチュン。
朝。か。
とにかく、昨日は大変な1日だった。さて、まずはあの老人から何か聞き出さないとーーー
「おーーーーはよっ!」
バタン!!と大きな音を立て、部屋のドアが開いた。
「まったく、今日も寝坊???学校遅れちゃうよ!さ、はやく着替えて下降りてきてよね!」
・・・俺は自分の眼を疑った。
「・・・・・・・・・・・・・・・いいづかぁ!?」
そう、俺を起こしに来た少女は、黒髪に大きなリボンがトレードマークの「飯塚有希」に間違いなかったのだ。
・・・・・にしては。
「ち、ちいせーーーーーーーーー!?」
「はあ?お兄ちゃん、何言ってんの?まったく、寝ボケるのもたいがいにしてよね!ぷいぷい」
呆れた顔をしてスタスタと下の階へ降りていく有希?だった。
お、お兄ちゃん・・・?なに言ってんだ、飯塚のやつ・・・
その時、バタン!!と再び俺の部屋のドアが開いた。
「起きろ――――――――――――!!」
無限ループって怖くね?
しかし、今度は何やらさきほどよりシルエットの大きい女性が現れた。これは・・・
「福田成美!?」
「おい!さっき有希が起こしにきたってのに、アニキはなにまだ寝ボケてんのよ・・・顔洗ってシャキッとしなさい!」
ドブ川を見るような目で睨むように部屋を出て行った成美だった。
そして・・・
バタン!!! と再々度、ドアが開くことは予想ができていたので、あらかじめベッドから脱出し、ドアの裏側で待ち構えていた俺は、ドアを開けた人物を締めあげ確保することに成功した。
「ギュムン!」
「へへ・・・こいつはどういうことか、説明していただこうか。」
「市原明さんよォ!」
「き・・・さま・・・なぜボクの名を・・・」
中学ボクシングチャンプの腕前は伊達ではない。関節さえ決めてしまえばこっちのものだ。市原は手に握っていたナイフをたまらず床に落とす。
すると、不思議なことが起こった。
さっきまで「俺の部屋」だった空間が、突然ねじまがり、洞窟の洞穴の中のような場所へとみるみる光景が変わっていく。
(魔法!?)
「くっ、ボクの夢乃国が解けてしまったか・・・!」
「なに!?じゃあ、やはりさっきの光景は夢だったのか!?」
「ククク・・・ボクの魔法で君の精神まで骨抜きにした状態で、完全に抹殺してやる計画だったのだが・・・」
「一体お前の目的はなんだ!?なぜ俺の命を狙った!」
「知りたいか・・・?」
ドシン!!ドシン!!!!
洞窟の天井や壁にヒビが入るほどの轟音が鳴る。
「おっとまずい・・・ボクの秘密基地が、崩壊する!おしゃべりしている時間は、無いようだよ」
(この地響きはこいつの差し金ではないのか?なら・・・)
「ギャアアアアアアアム!!!!(水田ぁ~~~~~助けにきたぞぉ~~~~)」
それは、敵の罠ではなく。俺への救援だった。
産業まとめ
・ほんとに夢オチ?
・市原の魔法でしたあw
・拉致された水田を助けにきてくれたギャームくん
老人1件、ギャームのイラスト3件を頂きました。
ありがとうございます^^