第1話「波乱の高校生活幕開け」
キーンコーンカーンコーン。
やっとチャイムがなった。ここ天の川学園は全国トップ生徒たちが集まる地球上で最もレベルの高い高校だ。その偏差値は112。でもぉ、俺はまだ友達がいないのでさびしいw。
「俺の名前は水田貴之。お前の名は?」
「・・・」
今日は気分が良いので、ちょっと隣の席のやつに話しかけてみたけんど、返事が返ってこない。もう入学して1ヶ月が経つが、どいつもこいつもこんな調子で、俺はこの学園でまともな会話をいまだに一度もしたことがない。それどころか、こいつらの名前すらまだ知らないというちょっくらピンチな状況だ。
キーンコーンカーンコーン。
お、次の授業が始まる。次はたしか化学だったかな・・・
「おい、次って化学で合ってるよな?」
「・・・・・音楽」
「え?」
「化学のダイゴ先生が急病で休んだから、3限目は代わりに音楽になった。HRで伝えられたはずだが?」
「あ、ああ。そうだったかなw」
というわけで俺たちは音楽の教室に向かったのだった。
ちなみにさっきから話しかけているこいつは後ろ髪に大きなリボンをつけている女子生徒だが、それ以上の情報はなにもわかっていない。よし、今日の俺のノルマ決定。今日中にこいつの名前、聞き出します!
「そっちのドアは教壇側だから鍵がかかっているはずだが?」
グッ、グッ、たしかに、どれだけ力を入れてもビクともしない。一体なぜこいつは鍵がかかっていることがわかったのだろう・・・やはり、入試学年順位上位の生徒なのだろうか?
「おい、俺は入試学年順位10位の水田だ。お前はいったい・・・?」
そう聞こうとした直後、勢いよくドアが開いた。
「さっきから廊下でギャーギャーうるさいわね!もう授業始まるからみんな席ついてるのよ!チンタラしてんじゃないわよ。犯すわよ!」
その女子生徒の胸ポケットには名札がついていた。福田成美というらしい。
俺はようやく初めて1人のクラスメイトの名前を知れたことに感動して震えていたが、その隙にさっきのリボン女はもう着席していたようだった。
キーンコーンカーンコーン。
まずい、鐘がなっちまった!この学校は遅刻を許さない。教師からの怒号がとぶ。名簿に×印がつけられたような予感がする。ああ今日は厄日だ。
(まあでもさっき名前もわかったし、プラスマイナスゼロかな~w)
---ゼロじゃありません---
(え?)
---あなたには、やってもらわなくてはならない”使命”があるのです・・・---
「どういうことだ!?」
おっと。声に出してしまったようだ。
音楽の鑑賞学習で目を閉じて集中してきいていたクラスメイトや教師たちからの視線が一気に俺に集中する。
「「お前が一体どういうことだー!」」
(ざわざわ・・・ざわざわ・・・)
(またあいつかよ・・・)
(あの10位の・・・・)
「水田。おまえ職員室でウワサになってるからな。あとで俺のところに来い。いいな!」
あらら・・・もしかして俺、またなんかやっちゃいました?
三行まとめ
・地球でいちばんの難関高校に入学した水田貴之
・謎のリボン女とちょっと会話するけど名前はまだわからない
・音楽室で福田成美に怒られて犯すわよっていわれて、職員室に行くことになった。