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人狼と少女  作者: 冬忍 金銀花
第2章 シベリア紀行

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第31部 シベリア紀行 並行世界 桜子とニキータ 


 1916~1917年 並行世界 シベリア 


 1916/8から1917/3 並行世界で桜子、スミヤ、ニキータの親子の宝石と呪文を探す旅になる。



*)過酷な道程

               桜子、スミヤ、ニキータと宿ロク の4人


 怖い面持ちのニキータ。宿ロクさんは自分の所為だと思い込んでしまう。今までが父親らしい事が出来なかった。そういえば、ニキータとは何年会っていないのだろう? と思いを巡らせる。分からない。ならば、ニキータの姿をタイムワープさせてみた。ニキータの姿が鮮明に浮かんできた。


「はは~! いや~10年以上家には戻れなかったのか、このあでやかな姿は5歳の誕生日。??!!?とすると、もう20年にもなるのか~」


「ニキータ、機嫌直してくれよ、な?」

「ロクさん、ニキータは怒っていませんよ、自分で封印を解いてるだけだから」

「どういう事で?」

「昔の事を思い出しているんでしょう。そのうちに優しい娘さんに戻ります」


 スミヤさんはニキータを弁護している。ニキータは思い出したように、


「こら!親父、今まで何してやがった? あ?・ぁん?」


 優しくはなかった。怖い性格のようだ。本当に母親の封印を解いてしまった。ニキータの母は、別な意味で封印を施していた。


 母親は凄いと思う。とにかく子供の性格は見抜いてしまう。現代では、子供が親の性格を見て判断するようだ。親と同じことをしてしまう。だから、母親は子供の性格と行動を予測出来ないのだ。哀れ?!と言うべきか。


 ニキータは口癖が悪いだけでねちねちと怒ったりはしない。どちらかというと、優しい面が多い。が、口に出す事が苦手だから、他人からは怖いと思われる性格だった。理不尽な事も言わない。


 クリミヤ半島、巫女の起原の村に行く事が早道だとロクさんが言うから、一同クリミア半島の巫女の謎と、7個の宝飾の謎を探しに行く。


 と、決めたが・・・・・・。


「じょうちゃん、船は乗れるかね? 船旅でクリミヤの近くまで行きいんだが」

「大陸で船? ですか?」

「なに、1200kだから、直ぐに着くぜ」

「親父、残酷なこと言うな。銭だせよ。飛行機がチャーター出来んだろう?」

「出ね~よ、バーカ」


 エカテリンブルクから西へ、約400k、ベルミを目指して進む。大陸で山脈が在るから廻り道になるし、直線道路は絶対にありえない。のんびりと行くしかないのか。ベルミから南に延びるカマ川がある。魔物が出るので有名である。カマ川を1600kも下るとは、いい根性ものだ。魔物は、オカマ”というらしい。


 当時のペルミは、昔から軍需産業が盛んなロシアの衛星都市だ。1916年もロシア革命で武器が欲しいから、陸と空で派閥争をして混乱を起こした街だ。情勢も穏やかでは無い。シベリア鉄道もあるが、カマ川を利用した水上交通の要衝でもある。


 アゾフ海に出れば巫女の郷、ケルチは近い。合計で、2000kの行程らしい。魔物退治の武器を用意して出発した。3か月もかかった。読者の方は、2分か。ロクさんに女装させて私への被害を逸らせた。うまくいった。


「親父、桜子とスミヤに謝れ! 窮屈で、寒くて、怖い思いをさて、な?ぁ?ん?」

「いいえ、ニキータさん。大丈夫ですから」


 だから、ニキータさんは優しいでしょう?


 無事にクリミア半島のケルチに着いた。もう冬である。ロシアの冬では無いから、ドサンコだし、私は、大・丈・夫・だ~。



 この間、クロは呼んでも来てくれなかった。部品ブヒンとも聞いていない。どうしたのだろうか。能天気な私は、


「そうか、クロはきっと泳げないんだ~」



 おさらい、兼、問題であるが。


 1222年ジンギス・カンの侵攻当時、長老の巫女は、個の宝飾がある幾重にも長い首飾りをしていた。赤・白・緑・ダイヤ・紫・濃緑・ピンクの7個である。中心はダイヤだ。


 人口が300人足らずの小さな村で信仰を司る中心的な神聖な地方で、多くの人の信仰の対象になっていた。


 ダイヤ・紫が並行世界にあり、巫女に持たせられた5個の宝石と巫女の名は、赤=ハーニャ 白=カタリナ 濃緑=マリヤ 緑=クルィーヴァ ピンク=アンナ


 私は、質問する。


「青が無いのですが・・・・・」

「赤と青を、なぜ?ユキとキリが持っているんですか・・・・・」

「黒とはなんですか・・・・・」

「ああ、それがこれからの旅で分ればいいな!」


 ロクさんが返事した。



*)巫女岩の遺跡とダイヤ


 ロクさんは、信仰を司る中心的な、神聖な地方の場所を先に探す必要があると言った。おおよその場所の目星はつけている。ミソヴォエという、直径2k位の半島がある。海に突き出ていて小高い丘になっている。最初にここを調べる。(観光リゾート地で有名)


「ホント、岩山しかないわね。とにかく登りましょう」岩のジョークは日本人にしか解らない。言ったのは、桜子。立派な日本人だ! 

「ね、ここ見て、とても広く平たく削ってる。ここに祭壇が在ったのかしら」


 ロクさんは、ろくに喋らず見て廻る。立ち止って方位を確認しているようだ。


「お~い、ニキータ。クロを呼んでくれ」

「桜子、お前、やんな」

「はい、やってみます」

「クロ、出て来ておくれ。クロ! そこに居るの? クロ!」


クロは嘶きながら現れた。


「クロ! ニキータを覚醒させて」


 すぐさまスミヤが言った。ニキータは逃げて、穴に落ちた。「ここ見て見ろ、すっげー穴が在るぜ」

 おいおい、どうしたと言いながら皆が集まる。そして驚く。


 丸い円に沿って、穴が6個ある。離れて1個、さらにもう1個。合計で8個の穴がある。宝石の7個からすると、穴が1個多い。すると、宝石は全部で8個になる。(グーグルで見れます)


 その丸い円から、西に1本の道らしき線が刻まれている。たどれば、左右と真ん中の3本の線がある。その線を辿ってみた。やがて、1本に纏まり、其処には3か所の祭壇が在った。そこからは、南の陸の方へと続く。


 クロは南の方を向いて立っていた。私たちが近づくとクロは進む。クロに付いて行く。1k程下り、また登り出した。500m先に墓地らしき跡があった。クロは中ほどの大きい祠の前で立ち止った。


 クロは、ニキータに近づくと、ニキータを祠に蹴り飛ばした。覚醒の儀式である。スミヤは大声で笑い、私は口を押えて笑う。ロクさんは真剣に状況分析をしていて、最後に大笑いをする。


「てやんでぃー」

「後で見ていろ~」

「おい、ニキータ。檀上があるだろう、そこに丸い窪みがあるから、試だ、そこに指輪を置いてみろや!」

「あぁ? 親父、ここか?」


 ニキータは、祠の壇上に指輪を置くと、黒の宝飾の銀はソードへと姿を変えた。みんなは腰を抜かした。これはなんだい? と言いながらニキータは剣を持った。そのまま倒れてしまう。巫女の覚醒が始まった。


 やはり、黒の宝石は覚醒していなかった。封印をされたまま幾世代も受継がれてきたようだ。


 これはニキータの寝言である、聞いて笑って頂いてほしい。


「ダイヤ? ダイヤが存在するのか? あん?」

「バカが~黒の宝石が存在しないだと?」

「宝飾がソード 武器に変身する? あ~ァん?」

「何だ、この呪文は!」


 この際だ、ニキータに全部喋ってもらう事にした。


「宝石は、7個じゃなくて8個だ?」

「赤の秘密。秘密? 赤と青の十字架は表裏一体の作りだぁ? ん??」

「赤のロザリオが分れて2つに? 青だと?」

「じゃ、このピンクは? 盾だと?」

「二手剣だと言うのかい?」

「両手剣のソード?」

「ダイヤにそんな力が有るんかい」

「呪文はなに?」

「黒の宝飾がダイヤと同じ? おかしくはないかい」

「紫?」

「この、おちびちゃが紫なんかぁ?」

「槍に変身した~?」

「黒い馬がどうした? ぁ? ん??」

「黒の宝石は? 時間を超える? ぁ? ん??」

「クロは3個?? 飛ぶのか? ぁ? ん??」

「聞いたか親父!ぁ? ん??」

「あ、あ~いやいやいや、まて、まて、桜が? ダイヤだと? ぁ? ん??

 ここにあんのか?・・・・・・・・」


 お疲れさま、ニキータさん。


 宝飾が剣に変身する事は判った。だが、言霊が失われたから宝石の意味が解らない。


 黒とダイヤの関係。黒の石を台座にしてダイヤを嵌めこんでいたから、ダイヤの影響で強くなる。いや、呪術の力をため込む為の黒い台座と解釈される。黒は他に4個在る。黒は大きかったので5個に分割されていた。2個は剣に、この指輪だ。残る大きい3個は、クロ・馬にである。


 ダイヤと紫は何処にあるのか、分らない。また、情報収集に南の方へ奔る。先には1軒の宿屋があるのだ。


「もうー疲れた。ビール飲みたい。早く!」

「分ったよ、宿に戻るか。すぐ目の前だからな」

「やい、親父。もう、船の宿は嫌だぜ」

「下った先にお宿が有ります」

「ホントか?」

「はい、50年すればゲストハウスになる予定です」

「ゲストハウスか、すげ~な」


「ニキータさん、いつ起きたんです? 白々しい寝言は終わりですか?」


 宿に着き、ワインを飲んだ。波の音も聞こえない静かな宿だ。言い換えれば何も無い。海の村だから魚料理のオンパレード。私からすれば、もうご馳走だ。1人で食べ続ける。


「あの親子、仲がいいんだね」


 ミーシャさんを思い出すのか、スミヤさんが言った。私は? 何も思わない。忙しいのだ。魚の骨が喉につかえた。


「ほらほら、そんなに慌てて食べるからでしょう? これを飲んで!」


 私はスミヤさんから差し出された飲み物を一気飲みする。骨が流れた。序に私の意識も流れた。残されたご馳走は、スミヤさんが食べてしまったらしい。


 食事が済んで部屋に集まり、今後の方針を決めるはずだった。私は2人に運ばれロクさんはもう潰れていた。


 翌朝、ニキータに起こされた。


「起きろ! へたんこの音痴!」

「なによ~、それ!バカにしてんの?」

「いや、全部言ってもいいか!」

「うん? なにかな~」

「目が覚めるように。へたれのオタンコナスの方向音痴!?」

「最高の褒め言葉だわ。神話になるのかしら?」

「してほしいのならば、寝ていろ!」


 隣で寝ていたスミヤさんが笑い転げて起き上がる。


「キャッハッハー」「ドテ!」「 アウチ!」


「ロクさんは?」

「あぁ、あいつは夜のうちに、外へ投げ出しておいたよ。桜!あんたの為にだよ」

「ほぇ?」


「ここの村、すっげーぞ。良く開墾されてる。丘の上から見たら道がさ、こう、縦横に走っててさ、とても綺麗だぜ」


 食事を済ませ、また丘に登り昨日の穴・8個を調べてみる。夏は海水を汲み上げ温泉にしたとかしか? 他思い浮かばない。


「あ、穴と穴の対角線が一点に交わる。ここに何か秘密が無いかしら」

「じょうちゃん、いいとこに気が付いたね。掘ってみよか」

「ニキータ、この石どけろ」

「親父がどけろ」


 石を取り除いたら、小さな石棺があった。小さくても重たい。取り出しても何も入っていなかった。


「何も無いですね。・・・横に向けてみて下さい。・・・・・?・壊しますか」

「おやぁ? 底に何か詰め物があります。何でしょう」


 土で固めたようで削る事が出来た。ダイヤが見つかる。皆は喜んだ。


 お昼過ぎに宿に戻る。霧たちの事も気になるし、どうしよかと思い悩む。


「ねー、ロクさん。この後どうしましょうか。」

「そうさな~、ニキータの力が解ったんだ。この事を他の奴らに教えたいがね」

「そうですよね。何の役にもたたない私が残って、呪文と紫を探します」

「じょうちゃん、無理だな。あんた、方向音痴なんだろう? 俺が付いていくよ」


「ね~ニキータさん。クロの宝石の力が解ったんだし、他の巫女に教えに行ってくれないかしら」


「あぁ、いいぜ。他の奴らは何に変身するかな。楽しみだぜ」

「スミヤさん、ニキータさんをお願いします。一緒に向かってください。ニキータさんでは不安ですもの。ミーシャが寂しがってますわ」



「あんたら、これをお探しですか?」


宿の主人がボロボロの紙切れを持って来た。ここには、


「汝らの欲する呪文はクロが導く。クロと共に旅たて、未来の巫女よウラル山脈のコミの原生林へ行け」


 宿の主人のご先祖さまが石棺から持ち出して、代々保管してきたという。


「これ? 文字のインクが綺麗過ぎないかい?」

「ええ、書き直してあります。文字は古代文字で書かれていました。とある学者さんが、翻訳、ウラル山脈の文字も加筆されたそうです」

「なんだか、胡散臭いな! 桜子さん、これ? 信用するのか?」

「ええ、クロに訊いてみますわ」

「クロ! ねぇ~」



「宿屋のご主人、あんたの息子はゲストハウスのオーナーになるぜ」


 この一言で、宿代が無料となった。理由は簡単だ。現在は1軒の宿がある。未来もゲストハウスという、大きくてきれいな宿が同じ所にある。ただし、この主人の子息とは限らない。



 翌日、私たちは二組に別れて飛んだ。黒の宝石は2個になりクロのように飛べる。私たちは、クロに紙切れを見せた。クロは嘶き導いてくれた。が、寒い雪の降るシベリア、だった。


「ニキータさん、ミーシャの所へお願いします」


 1916年12月10日に、ニキータ達は無事に合流した。



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