[E竜]終わらせる存在 4
「妾とご主人様が出会ったのは・・・アビスの中でした。薄められ、消えかかり、身体のカタチすら保っていなかった妾を・・・集めて下さいました」
「ふむ・・・?」
「動けない妾を、好き放題になぶり・・・」
「待て待て」
「何度も殺そうとしたのですが、残念ながら身体の自由は効かず・・・一応、自衛や、ご主人様の意に沿うことは出来るのですが・・・反逆して寝首をかくなど出来るはずもなく」
「ぬう・・・」
「ご主人様の意に沿う事、夜のお相手なら出来ましたよ」
「その情報は聞きとうない」
「流石に身体が揃うまではあまり手を出されませんでしたので・・・それでも半年以上は2人だけで過ごしたのです。ご主人様のスキルの影響もあるかも知れませんが、次第に私はご主人様に惹かれて行きました・・・」
「ふむ・・・」
「夜の事も徐々に上手くなられましたしね」
「だからそういう情報は要らぬ」
現リヴィアが呻く。
「その後仲間が増え、2人でお相手する様になり、5年程でしょうか。ほぼ毎日、一緒に戦い、夜を共にし・・・その関係はきっとずっと続く、と」
「・・・分かった。今のそなたはそやつのハーレム構成員。そしてその関係を続ける為には、今此処で世界を滅ぼされては困る、と言う事だの」
「いえ、違いますよ?今の妾とご主人様はただの主従と言うか、友人というか。気の良い豪放な姐さんとしか認識されてないですね。夜のお相手をする事も滅多に有りません」
「超展開?!関係性の変化もさる事ながら、何処から姐さんが出てきたのか?!」
「外見からそう見えるとの事だったので、期待を裏切らないように頑張って演じています」
「その努力は要らないと思うぞ!」
「関係性の変化の方は・・・3人目の仲間があっさり妻の座に滑り込みました」
「何であっさり負けておるのか?!貴様等の6年は何だったのか!」
「仕方が無いのです。物言わぬ人形より、喋って笑う存在の方が良いに決まっておる。ご主人様が必要としていた温もりを、妾達は与えられなかった」
「ぬぬ・・・」
「その後、我々も身体の自由を取り戻しましたが・・・その時には既に3人目の存在は大きく、妾達は、涙で枕を濡らす事しか出来ませんでした」
「・・・そなたも、妾なら、自分の欲望を抑えるな。ちゃんとそいつにそなたの気持ちを伝えよ」
「無理ですよ。だって恥ずかしいじゃないですか」
「何故そこで行動力を発揮出来ぬのか・・・」
現リヴィアが頭を抱える。
「そういう訳で、貴方の命を散らさせて貰います」
「その話・・・つまり貴様は、次は妾に上手くやれ、と、そう言いたいのだな?」
「いえ、全然?ただの八つ当たりですよ」
「貴様ああああ」
怒って爪を振りかざす現リヴィア。
未来リヴィアは躱すと、現リヴィアを爪で貫く。
現リヴィアが動かなくなる。
「・・・さて、確かこれであってた筈ですが・・・一応練習した通りに出来ましたよね?」
未来リヴィアはそう呟くと、現リヴィアをアビスに・・・
ふと、現リヴィアを保護魔法で包んでから投げ入れたらどうなるか、と思う。
吸収速度が落ちれば、イヴより前に動けるようになって、そうすれば・・・
くすり
未来リヴィアは苦笑すると、現リヴィアをそのまま投げ入れた。
未来から来て自分を殺す・・・一方で、現在の自分は未来の自分を殺そうとする。
終末蛇の因果。
時空魔導士の転職条件。
まだ仕事は残っている。
リヴィアは、親友の頼みを果たす為、この時間を離れた。




