海色の犬話
更新遅れてすみませんでした!
忙しくてなかなかサイト開けなくて・・・
ダイキの事情も知ったところで、さっそく私の人型になるための練習をしてみることに。
まず最初に、ダイキはどうやって人型に変身できたのかをきいてみると、どうやらダイキの好きなものを考えたら、自然と人型の姿になっていたらしいのだ。
「好きなものって、やっぱりブロッコリーなの?」
と聞くと、ダイキは首を横に振り、「ううん、ボクの好きなものはアイラだよ?」と素の反応でそんなことを言われると、嬉しくてしょうがないわけで。
て、話がずれてしまったが、試しに私の好きなものを想像してみることに。
「私の好きなもの・・・モフモフしたもの・・・。」
今、私の頭の中ではたくさんのモフモフした動物がうかんでいる、が、しかし脳内が癒されても自分の姿が変わることは何も起きなかった。
だけど、どうしてダイキは成功したのだろうか、ダイキの推理だと、前の世界のアイラの行動は、今の人型とよく似ていたからかもしれないという話を聞いて、前の私を思い出すけど、結局何もならないままだった。
それからもいろいろなことをしてみた。
とにかく走り回ったり、実際に自分の体をモフモフしてみたり、ダイキにうさぎのしぐさを教えてもらい、それを真似てみたりと、とにかくたくさんしてみたが、結果、姿変わらず。
そんなことをしていると、ダイキからぐぅという音がなり、気づけばお昼の十二時になっていた。
お腹すいたねぇというダイキの発言から、一つ疑問に思ったことがあった。
「ねえ、ダイキ。」
「なにアイラ?」
「あのさ・・・私がこの世界に来るまで、ダイキはご飯どうしてたの?」
疑問に思うのは当然だ。
ダイキはたとえこの世界のうさぎだったとしても、前の世界では、私のペットとして生活していたわけだから、当然自分で料理なんて作れないだろう。
じゃあ、ダイキはどうやって?というのが当然だろう。
そして彼は答えた。
「えっとねぇ。女神様がね、ある程度の生活品と食料は用意してあるからって言ってて、キッチンに行ってその中にブロッコリーがはいってたから・・・」
そこまで聞いてまさかと思った。
・・・そのまま食べたのか?
頭によぎると私の中で、美少年が生のブロッコリーを丸かじりするというシュールな図が現れた。
ダイキならあり得るかもしれない。
もしかしてと思いながらも話の続きを聞くと、
「ブロッコリーがあったから、それを食べたんだけどね、いやぁ幸せだったなぁ。うさぎの姿だと、一つのブロッコリーが大きく感じるから。」
なんと、話を聞くところに、その時のダイキはまだうさぎの状態だったらしいのだ。
ならいつ、彼はうさぎから人型になったのだろうか。しかし、以外にもその理由はとても可愛らしいものだった。
「そしたらね、ご飯食べてたらアイラと一緒に食べてた時のこと思い出して、アイラのこと考えてたらなんだか寂しくなっちゃったんだ。」
と、ダイキは照れくさそうに笑い、人型になった理由も話してくれて、その話を聞いた私は余計にダイキがいとおしい気持ちになった。
ダイキマジ天使。神様、仏様、女神様ありがとうございます。
そして、うさぎの姿でブロッコリーを食べたということは、図的にも問題はない。
「あとね、しばらく家の中でのんびりしてたら僕たちの家の前で誰かの声がしたんだ。その人たちがこのお家の隣に住んでる人たちだったんだけどね。」
「お隣さん?」
話を聞くと、隣の家に住む人たちが、どんな人が引っ越してきたのか気になったらしく、自分達からあいにきたらしい。
親切な人たちだったらしく、この街のことや、何も知らないダイキにゆっくりと丁寧にこの世界のことを教えてくれたり、さらには夕御飯も食べさせてくれたらしい。
いい人たちでよかったね、と言うと、「うん!とってもいい人たちだよ!」とダイキはニコニコしながら答えた。
それじゃあ、行ってみようということになって、家を出て隣のお家に向かうと、その隣のお家は、主に青色の彩飾をした円柱がたの形をしていた。
目の前にたつと、何故だか少し緊張してきた。これからの新生活、いろいろとお世話になるかもしれない人たちだ。
決心をつけると、私は目の前に立ちはだかる黒い扉を、ダイキにかかえ上げられながらノックすると、扉を開けて出てきたのは
朝の光を浴びた海のような髪のいろにアメジストのような紫の綺麗な瞳をした癖っ毛がある少年と、夜の海のような髪の、同じ瞳の色に少したれ目で落ち着いた丸い髪型をした少年が現れた。
その二人の姿は、髪型が異なっていなければまるで同一人物の二人、犬耳の双子だった。