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灰色のウサギ話

今回かなりみじかいです。


挿絵(By みてみん)

 私の目の前にいるのは、なくなったはずの人型の『ダイキ』。

 いったいどうしてこんなところで再会してしまったのか、まったく推理できない。


「ダイキ、どうしてダイキまでここに?!」

「えへへ、ボクも正直よく分からないんだ。」


 そのあと、家に戻りリビングにある食事用の大きなテーブルに、二人が正面で向き合えるように座ると、ダイキは自分が今のところ理解しているところまで話してくれた。


 それから話されたのは、ダイキがあの日、突然目覚めない眠りについてしまった原因だった。

 ダイキがあんなことになったのも、予想はしていたが、私の時と同じ、あのロリ女神の仕業らしい。

 ダイキがあの日の前日、眠りにつき体を休めていると、突如目の前に美しい翼をもった女神が現れ、いきなり異世界へと連れられかけたらしいのだが、最初は女神の言葉に反論したらしいのだ。



 *******


「おす、オッスー!女神ちゃんでーす!今からあなたを別の世界に連れていきまーす!」

「えぇ、君だれ?愛輝がこの前言ってた危ない人?」

「むむっ、アタシはちっとも悪いやつではなぁーい!でもやっぱ人の言葉が分かるんだねぇ。」


 不思議なことを言うその人は、ボクをどこかへつれていってしまうらしい。


「いい?あなたはもともと『この世界』のウサギじゃないの。だから故郷にかえすのよ!」

「えぇ?でも、愛輝とお別れするのは悲しいよぉ。」


 愛輝は、初めて会ったときに、ボクを見てとってもニコニコしていたのが最初で、しばらくたつと、また愛輝は現れて、気がつけば愛輝のお家のなかだった。


 愛輝はボクを持ち上げると、「よろしくね、ダイキ!」とボクに声をかけた。

 それから少し経って、ダイキとはボクのことを言っているのに気付きはじめた。


 それからはとっても楽しくて、お腹が空くと、愛輝は美味しいご飯をくれるし、いつもボクの名前を呼んでくれるし、何よりも嬉しいのは、ボクを見ていつも幸せそうに笑ってくれること。

 それがとっても嬉しくて嬉しくて、ボクは愛輝が大好きだ。だから愛輝と離れるなんてとても寂しい。


「大丈夫!『あの子』のためにあなたを連れていくんだから!」

「あの子って・・・!・・・だれ?」


 あの子というのが誰だか分からなかったので、女神さんに質問したら、なぜかこてっと宙返りをした。

「大丈夫?」と聞くと、女神さんはまた立ち位置に戻り、「平気よ!」と言って胸を張り、話を続けた。


「一回しかいわないからね。あの子っていうのは、あなたの主人『愛輝』のことを言ってるの。」

「えぇ?!どうして愛輝をつれてっちゃうの?」

「私だって、お仕事でやっているんだからしかたないの。で・も!君にはあの子のサポートをしてほしいの!」


 サポートとはどういうことなのだろう。そのあとも話を聞くと、ボクには先に異世界というか、故郷にかえって、愛輝が来たときにサポートをしてほしいということらしい。


「・・・どう?のってくれる?」

「・・・・・・愛輝が絶対に逃れられない運命なら、分かったよ。」

「おお!!よっしゃー!交渉成立ー!!」



 *******


「て、ことがあったんだぁ。」

「・・・へぇ。」


 何てことだ。

 私の知らないところで、ダイキが私のためにこんな決意をしてくれてたなんて。



「てことで、これからもよろしくね、アイラ!」


 そう笑うダイキの笑顔は、姿が変わっていても変わらない笑顔で、なんだか少し、これからの生活に安心感が持てた。


 異世界生活の一日目。









最後までありがとうございました。(*´∀`)

★更新 アイラのウサギの姿です。

挿絵(By みてみん)

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