黄色のウサギ話
更新遅れてすみません!
最近テスト期間で遅れてました。(。´Д⊂)
ロリな女神に無理やり異世界へと導かれてしまった私は、目覚めるとベッドに入っていたことに気づいた。
そして、もう一つ気づいたことは、起き上がるとそこには、ウサギの耳が生えている一人の少年が、私の様子を心配そうに看病してくれていた。
「よかったぁ。具合が悪そうだったから心配したよ。」
そう言う少年の姿は、白と灰色の髪がランダムに染められていて、左右に前髪を分け、何よりも注目したのは、少年の頭にピョコピョコと動いているウサギの耳だった。
表情は柔らかく、微笑むその顔は、とても魅力のあるものだった。
「あの・・・ありがとう。えと、ここは・・・?」
単純に思ったことを私は少年に問いかける。すると、少年は嫌々言わずに親切に丁寧に教えてくれた。
「ここはね。君がいた世界とは違う、獣の特徴を大きく持っている人たちの世界。いわゆる獣の力を持った人たちの住む『異世界』なんだ。」
どうやらここは、本当に異世界らしく、見慣れない場所に見慣れない人々の姿、まだ謎は多いが、私は今日からこの世界で暮らしていくらしい。
さらに少年の話を聞くと、どうやら彼にも何やら事情があるらしく、この世界のことをそこまで深く知っているわけではないので、自分が分かるところまで教えるねと言われたので、私はこくこくと二回ほど頷き、彼の知っているこの世界の話をしてくれた。
それから話を聞くに、彼の丁寧な説明のお陰で、いくつか分かった点があった。
一つは、この世界の住人は、一人につき、一つの獣の力を持っているという。種族もかなりあるらしく、彼が言うには、ウサギの種族も沢山あって、自分も最近やっとなんの種族かが分かったらしいのだ。
もう一つは、この世界の住人は自分の思いや心の命令に対して、その人の指示しだいで獣化になったり、人型になったりすることができるらしいが、それには練習が必要となるらしい。
そして最後にもう一つ、彼が助けてくれたときには、私は彼と同じ種族のウサギの姿で見つかったらしいが、先程の彼の話があったように、今私は獣化の状態にいるらしいのだ。しかし、ここで一つ困ったことが発見された。
そう、それはーー
ーーこの姿から人に戻れないということ。
その事が頭の中で理解されると、まあいろいろ不思議に思っていたことが確信に近づいていくわけで。
なんてことだ、どうりで先程から少年が異様に大きく感じたり、視界が低いわけだ。というか、なぜ今まで気づかなかったんだ私。
今の私は、黄色いモフモフした小さいからだに、大きなウサギの耳、そして胸元には真ん中がダイヤ型のボタンをした大きなリボン。
どうやら女神の言っていたことはこの事だったらしい。この世界だと私はウサギにぴったりだということ。
ライオンやゴリラなど、体のごつい動物ではなくてよかったとほっとした気分になった。
私と彼の種族はノーマルラビィ族という、少し小さめのウサギらしい。
ちなみに彼にここはどこなのかを訪ねると、ここは一つの少し大きめの町らしく、名前は『ブロッコリルタウン』。なんというか、正直聞いたときは「ブロッコリー?」と思わずつっこんでしまったが、彼は「違う、違う。ブロッコリルだよ!」と即答されてしまった。
まったく関係ないことなのだけど、ブロッコリルだよと言う彼の素直に言い返す様子がとても可愛らしかった。ブロッコリーとツッコミをいれてよかった。どこかの話を聞かないチャラロリ(女神様)とは大違いだ。
話がそれてしまったが、試しに外に出てみないかという彼の提案にのり、ウサギの姿のまま、慣れない歩き方をしながら外へ向かい、彼の後ろをついてあるくと、そこには木製で作られた大きな扉があき、開けたそこには、賑やかな人々の声と華やかな町の景色がそこにはあった。
前までいた世界とはどこか違う、通る人たちの姿の違いもあるが、何よりも場の空気に暖かさがあるような、そんな光景が彼に抱き上げてもらい見えた。
「ほら、君がいた世界とはまた違う感じでしょ?」
「うん・・・なんというか、暖かい気がする。」
そう言って眺めていると、彼からこんな問いかけが、
「・・・・・・そういえば、君はこれからどこですごすの?」
そこに気づくと、私はハっとなり、これからどうすれば良いのかと慌てはじめた。
何も決めてなかった私を察した彼は、微笑みながらこう言った。
「よかったら、ボクのお家でこれからすごす?空き部屋が二階にあるんだけど。」
その言葉を待ってましたと言わんばかりに、私は満面の笑みを彼に見せると、彼もまた私に笑い返した。
柔らかいその笑顔をみると、どこか懐かしい、つい最近までずっと見ていたあの笑顔を思い出す。
そして私は気づいたことがある。まだ私は彼の名前を知らなかったのだ。
そしてこの世界だと、私の名前はカタカナで『アイラ』となるらしい。
でもなぜだろうか、初めて彼と会ったときから『あの子』とにているところが、もうすでにいくつもある。
柔らかくて、とても素直な笑顔。誰にでも前向きで優しいところ。動きや行動に嘘がないところ。まさか・・・・・・
私が彼を見つめると、彼は優しく微笑みながら、
「ボクのこと分かる?『愛輝』。」
もしかして、『ダイキ』・・・?