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プロローグ

どうも、初めましてのかたは初めまして!

果物のなしです。(*´∀`)


この小説は、作者が時間のあるときにだす作品なので、更新遅れるかもしれません。


誤字脱字あるかもしれませんが、温かい目で読んでくれると嬉しいです。

 目を開ければ、大きな耳と短い手足、

 そしてモフモフした体。

 なぜこんなことになってしまったのか。

 そう、それは十六歳の春の話ーー




 私には家族がいない。私の両親は、二人とも体が弱く、まだ八歳の頃に亡くなってしまい、二ヶ月前まではずっと、お婆ちゃんに育ててもらっていた。

 しかし、そんなお世話になったお婆ちゃんも、歳が歳で病にかかってしまい、たった一人の家族もあの世へ逝ってしまったわけで。とうとう私の身内は一人もいなくなってしまったところを、親戚のおばさんが引き取ってくれて、今はそんな優しいおばさんのために頭に入る知識をたくさん学び、全力で親孝行?をしている。

 自分で言うのもあれだと思うが、今では家事全般をこなし、勉強もできて見た目も中身も結構良い感じになって、周りには友達が常にいるような優等生へとなったわけで。そうなろうとした理由が実のところある。


 そんな私が、普段は滅多に言わないわがままをおばさんにお願いしたのが、


 ーーウサギを飼いたい!


 私が良い子になろうとしたのには『二つの理由』がある。


 一つ目はもちろん、私を引き取ってくれたおばさんに、恩返しをするためである。

 二つ目は、ある土曜日の日に、大きなホームセンターにおばさんと一緒に買い物をしに来たときの出来事。ペットショップのコーナーを通り、『少し寄りに行きましょ?』とおばさんと沢山の動物を見に行ったときがあって、おばさんはまっすぐにワンちゃんがたくさんいる方へ向かっていき、私はなんとなくウサギがいるコーナーへフラフラと向かうと、『あの子』と出会ったのだ。

挿絵(By みてみん)

 その子は他のウサギとは少し違っている姿の子だった。

 他よりも耳が一回り大きくて、少し目が大きくて、なぜか表情がとても分かりやすい顔立ちをしていた。


 私と目が合うとニコリと笑い、その笑顔に私は一瞬で惚れてしまったのだ。


 なんだ目は!なんだあの耳は!なんだあのモフモフな体はぁぁ?!!


 どうしてもそのウサギが欲しくなった私は、お店の人にしばらく仮の予約を頼み、その日はおばさんに何も言わずにウサギコーナーを立ち去ったのだ。


  そしてとうとう、おばさんにその事について頼んでみると、おばさんは真剣な私の目を見て、微笑みながらこう答えた。


「そうねぇ。愛ちゃん良い子だからウサギさんの世話できそうだし、よし!オッケー!」


 あ、自己紹介が遅れましたね。私は星野愛輝ほしのあいらと申します。

 ちなみにおばさんの年齢は、三十代前半だそうでとても可愛いです。これを読んでいる男性のみなさん、どうかおばさんの彼氏になってあげてください。


 私はやっとウサギを飼う許可をもらえて、財布を持ち、ダッシュでホームセンターへと向かい、待ってくれている店員さんとあの子が迎えてくれる所へわずか五分でたどり着いた。

 まあ、家からホームセンターまでそこまで遠くはないので、走れば誰でもすぐにたどり着くだろうことなのだが。


 お買い上げしたあと、抱いているかごを覗けば、すぐちかくにあの子がいるわけで、それはそれはご機嫌に鼻唄なんて歌いながらお家に帰り、満面の笑みでおばさんにみせた。

 帰ってすぐにしたことは名前付けだった。

 しかし、私の中では最初に出会った時からすでに名前は決めていた。

 名前は『ダイキ』。ネーミングセンスに問題はあるが、ダサいと言う前にちゃんと由来を聞いて欲しい。


 ダイキには右足側の所に、ダイヤ型の模様が生えていて、ダイヤのダイを取り、私は小さい頃に、お母さんとお父さんに「愛輝の由来はね、とても愛らしくてキラキラ輝いた女の子に育って欲しいからなの。」と言われて、ダイヤの形をした黄色の髪止めを貰ってから、今でもそれを愛用している。

 だからキラキラのキをとって、ダイキとなったわけである。由来を聞いてもダサいか、そうか。


 でももう決めたんだ、この子はダイキなんだ。

 私はダイキをかごから出し、優しく抱き上げると、ニコリと微笑み「これからよろしくね!」と挨拶をすると、まぐれなのだろうが、ダイキはコクりと頷き私に顔を擦り寄せた。



 それから少し経つごとに、ダイキの性格が少しずつ分かるようになってきた。

 まずダイキは他のウサギにとてもフレンドリーで好かれやすい子らしい。私が惹かれたのも分かる。

 もう一つは、どうやらダイキはブロッコリーが好物らしく、ときどきブロッコリーをダイキに見せると、キラキラした目でブロッコリーをみつめ、したの硬い方から美味しそうにたべる。そこがまた可愛いところである。


 それからもダイキと私はいつも一緒で、ダイキが良い子にお留守番をしていたらなでなでをして、勉強するときも近くにかごを置いて癒しを得て、ダイキのご飯もほぼ毎日作って・・・・・・


 なのに、神様のいたずらなのか、ある日ダイキの様子を見ると、目を閉じ静かに眠りについているダイキは、いつになっても起きない、目を開けない、いつものように笑ってくれない。

 信じたくなかった。ダイキは飼ってからたった一年と少しで亡くなってしまったのだ。


 だけど私は泣くことが出来なかった。私が泣いたら、悲しんだら、きっとおばさんに気を使わせてしまう。


 私は自分の部屋に入り、ベッドにうずくまり、ただただ悲しい気持ちになることしか出来なかった。

 そして、どこかの誰かに問い続けた。

 どうしてよ、三日前に動物病院に行って、ちゃんと健康だってお医者さんに聞いたのに。

 ちゃんとご飯の栄養のバランスも考えてあげてたのに、どうしてよ。


 どうやら私は泣き続けた後、いつの間にか眠ってしまったようで、とある不思議な夢を見た。


「・・・おぉー!!やっとつながったぁ!!」


 夢の中には、真っ白な長い髪に、ワンピースのような可愛らしい白い服、そして幼さを感じる表情。そして背中には小さな翼と、頭に金色のリングが浮いている、いわゆる天子のような幼い少女がそこにいた。


「おす、オッスー!!女神ちゃんだよー!」

「・・・はぁ。私、疲れてるのかな・・・」


 その女神と名のる少女は、絵本で見るような大人で美しい女性の姿とは違い、とてもじゃないが、翼とリングをとってしまえばただのチャラい幼女だ。


 そんなことを思っていると、その女神は私の言葉を無視して、ズンズンと話を進め始めた。


「いきなりであれなんだけどぉ、今からあなたを異世界に連れていっちゃうね!」

「・・・えぇ?!いや、ちょっと待って異世界?!異世界って、異世界?!!」

「そうだよ異世界だよー。さあ、レッツゴー!!」

「ちょっと待って!!」

 いきなり異世界に連れていくと言われても、どういうことかさっぱり頭が追いつかない。

 とりあえず理由を教えてくれ、お願いだから。


「なんで私を異世界に連れていくの?!おばさんはどうするの?!学校は?!」

「もおぉ!そんないっぺんに聞かないでよぉ!!」


 女神はプウッと頬を膨らませて、私に一つずつ質問の答えを伝えた。


「異世界につれていく理由は、あなたに会いたがっている人がいるから。あと、異世界に行ったらあなたはこれからずっとその世界で暮らすから、こっちの世界の人たちから、あなたの記憶だけを抜き取ります!はいっ!これで異世界に行っても安心安心!」

「いや全然安心ではない!!」


 どうやら私が異世界についた瞬間に今まで関わった人たちから私の記憶がなくなるらしいけど、一体誰が私に会いたがっているの?!


「まあ、細かい話はあとあと!とりあえず異世界にレッツゴー!!」

「・・・え?うわぁ!」


 女神が足元に指を指すと、そこから足場が消えて、私はあっという間に落ちてしまった。

 そして最後に、女神はこう言った。


「あ、言うの忘れてたけど、『そっちの世界』に行ったらあなたに合った姿に変わってるからぁ!多分『あの子』がいるから大丈夫だからねぇ!」


 言っている意味は何も理解出来なかったが、落ちたそこはとても綺麗な青空をしていて、そこからの記憶は何も残っていなかった。


 十六歳、星野愛輝は、異世界にトリップした。















最後まで読んでくださり、ありがとうございました!

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