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魔法?いや、超能力なんです。(小休憩中)  作者: ぢそべ某
第1章!
4/45

#4 宿?

 




「森に入って2時間くらい経ったかな…、キリもいいしこのくらいにしとくか。」




 あれから森を歩き回りスローピグを狩りまくった。途中から能力の調節が楽しくなって調子に乗ったせいで、俺の後ろには100匹のスローピグで出来た肉の塊が漂っている。






 次は解体…面倒だけどやるか。コアの位置は個体差があるようだが、特に支障はない。




 俺の超能力の1つに"透視能力"がある。これはポケットの中身から胃の中身までなんでも透視、視認出来る能力なので、コアの位置は丸わかりだ。これも目が疲れるが、千里眼ほどではないので大丈夫…だろう。



 透視で位置を確認してから、サイコキネシスでコアをもぎ取っていく。コアはスクールバックにでも入れておくか。汚れるけどあとで洗えばいいよな。







 △▼△▼△▼△▼△







 全部取り終わったか…次はこの死体の処理だ。ゲームなら倒すと勝手に消えてくれるもんだが、現実はそんなに甘くない。辺りは血まみれで酷い匂いだし、返り血は避けたが服に匂いが移らないか心配だ。




 仕方ないので燃やしてから埋めるか。




 俺の超能力の1つに母親の遺伝なのか"発火能力"がある。これは何もないところに火を出すことができる能力だ。



 火力もマッチ大から火力発電所に相当するレベルまで調整可能だが、今回はキャンプファイヤー程度の火力で充分だろう。




 ゴオオオォォォォ!






 一応豚の一種らしく香ばしい匂いはするが、食べる気にはなれないな…。




 さて、色々作業をしていたらいい時間になったのでそろそろ街に帰るかな。コアを売って多少の金にはなるし、とりあえず飯にしたい。







 街に戻りギルドに着くとコアを売却する。スローピグのコアは10個で180ギラなので計1800ギラ、100円玉サイズの銀貨を18枚受け取る。



 ご丁寧に銀貨の表面に"100"と彫ってあるから分かりやすいな。




 さて、これなら宿に泊まっても余裕があるな。前もって確認しておいた宿屋に向かうか。何件か吟味したが金に余裕があるなら少しいいところにしておくか。




 現代日本で生活していた俺にとってあまり汚いところは遠慮したい。あまり稼げなかったら素泊まりの安い宿でも良かったが、どうせなら食事付きでまともなベッドが欲しいからな。




 少し歩き宿屋に到着する。"ラグランホテル"というこの宿屋は1泊2食付きで850ギラ、少し小さいがそこそこ綺麗な宿だ。中に入るとカウンターに立っているおばさんが声をかけてきた。




「いらっしゃいお客さん、運がいいですね!あと1部屋だけ空いてますよ。」




「そうですか、良かった。ではとりあえず1泊だけ頼めますか?」

 千里眼で先に確認済みだけどね。まあそんな事は置いといて、銀貨を9枚出す。


 お釣りで表面に"10"と彫られた銅貨を渡されたが……紙幣に慣れた俺にとってこの世界は小銭が多過ぎて野暮ったいな。



「はいよ。では身分証を拝見……はい大丈夫です。ではお部屋にご案内しますね、"ミラ"下りといで~!」




「は~い、お母さん。」




 少しして2階から同年代くらいの女の子が下りてきた、ポニーテールの小柄な娘だ。…結構可愛い。この宿はこの親子が経営をしているようで、宿というよりは民宿に近いようだな。




「いらっしゃいませ、ではお部屋にご案内しますね。こちらになります。」




 そういって2階の一室に案内される。ベッドに机、小さいタンスが置かれた小さい部屋だが、小奇麗にまとまった雰囲気のいい部屋だ。





「タンスには鍵がかかるので貴重品はそこに入れてください。夕食はもう終わってしまっているので、残り物ですが今お持ちしますね。体を拭くお湯とタオルは食後にお持ちしますので。それと明日の朝食は7刻を目処に1階の食堂で食べられます。」





「…分かりました、ありがとうございます。」


「では、少々お待ち下さい。」






「───ふぅ~ようやく一息つけるな。」




 7刻……多分7時の事だよな。この宿には時計が見当たらなかったけど───ああ、そういえばギルドとかデカい建物には時計っぽいのが付いてたな。


 時計がない所は周りを見て確認してる、ということはまだ時計は気軽に手に入るもんでもないのか。腕時計は大事に使わないとな、こりゃ。




……それにしても汗をかく程疲れた訳ではないが早く体を拭いてさっぱりしたいな。それに服もまだ汚れていないが近いうちに洗濯しなきゃ。あとバッグも。


 そうなると今来ている学ランだけでは勿論足りない。今日が体育のある日だったら体育着も持ってきていたんだが…。




 スクールバックには筆記具にノートが2冊、空の弁当箱と水筒のみだ。スマホはちょうど家に忘れてたし、教科書は置き勉してるからスッカスカだったな。




 とりあえず明日には防具屋で"らしい"服を買うか。最初だし皮の鎧とかだよな。まあ自分自身の耐久度があるからあまり選り好みはしないけど。




 さて、とりあえず計画でも立てるか。買いたいものとかしたいこと、色々ノートにでも書いた方がいいだろうしな。




【短期的な目標】

 ・冒険者チックな服を防具屋で買う

 ・服屋で肌着とか靴下を買う

 ・街を見て回って情報収集


【長期的な目標】

 ・冒険者のランクを上げる

 ・家を買う?借りる?

 ・魔法が使えるようになりたい






 こんなもんかな?宿暮らしとはいえ足りない物もあるし色々買うものは多い。家は時間がかかるだろうが…長い目で見るなら宿暮らしより安上がりになるから欲しい。俺の体質・・の事もあるしな。




 それと魔法だ。まあ超能力もあるけど、魔法でしか出来ないこともあるだろう。…瞬間移動とかもまだ発現していないし、なんなら魔法として覚えてみたいかな。






 コンコン!


 ……おっと、色々やってたら飯の時間だ。



「お食事お待ちしました~。」



「はい、ありがとうございます。」





「──えっと、ユートさん…でしたっけ?確か今日街に来たんですよね。ということは3日後の大会目当てなんですか?」



 野菜のスープを1口飲んだ所で声を掛けられる。


「ええ、そうです。……大会?」




「あれ、違うんですか?年に1回、お城の運営する闘技場で武闘大会が開かれるんです。だから時期が近づくと人が集まるので、てっきりそうかと。」




「ああいえ、俺はちょうどこの街に来ていただけなんですよ。その大会は誰でも参加出来るんですか?」




「はい、参加費の金貨1枚さえ払えば誰でも参加出来ますよ。優勝者には大金貨100枚、準優勝でも50枚で毎回参加者は400名を越えるんです。しかも主催者である領主様は強い方が好きなので、たまに優勝者や気に入った人をスカウトしてしまうんですよ。」




 …大金貨ってなんだろうな。"大"な金貨だから価値は高そうだけど…これは聞いちゃいけないヤツだよな、うん。てか領主もそれでいいのか…。




「そうなんですか…じゃあ折角なんで参加してみようかな。」




「はい、頑張ってくださいね。私も常連さんが出る予定なので見に行きますから、応援しますよ!」




「ああ、ありがとうございます。」



「すみません、そこだけ気になってたものですから。ではお食事が終わる頃にお湯とタオルをお持ちしますね、失礼します。」






 …なるほど、大会か。大金貨はよく分からないけど、優勝出来たら一気に大金が手に入るな。




 野菜スープと固くて黒いパンを胃に流し込んでから少ししてお湯とタオルを持ってきたので、食器と引き換えに受け取る。シャワーはそのうち浴びれる日が来る事を願うしかないな。




 体を拭いてあとは大人しく寝ることにする。情報収集に酒場に繰り出す事も考えたが、あまり飲んだ事もないしお金に余裕はないので遠慮しよう。




 明日は軽く街を歩き情報を集め、そのあと今日と同じくらいの依頼をこなすとするかな。



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